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安全と安心は違います
「食育講座 シリーズ6 食品の安全1(全5回)」

 今回から新シリーズです。食品の安全について考えます。

 食の「安全・安心」というようにこれらの二語を一緒に語るケースが多く見られます。しかし、「安全」「安心」とは違います。

 「安全」とは科学的に裏づけのあるものをいいます。正確で的確な実証にもとづくもので、詳細なデータで証明ができます。食品の分析結果などから「安全」であると証明できるものです。
 「安心」とは、受け手の気持ちの問題です。あくまで主観的なもので、提供側と受け手側との信頼関係が重要となります。また、「安心」というのは満足度が高い状態でもあります。これは、QOL(Quality of Life:生活の質)の向上にもつながるものです。

 大手の乳業メーカーや洋菓子メーカーが食中毒事故や消費期限切れの原材料を使用するということがありました。その後、安全が確保されたとしても、買う気になれないというのは、まさに「安心」感が欠けているということです。そこには、メーカーと生活者との信頼関係が崩れているといえます。

 食品の安全は、「安全」だけの確保ではなく「安心」も確立しなければなりません。この「安心」は心理的な側面が大きいために単に衛生管理の徹底というだけでは確立できません。あらゆる関係者との信頼関係をしっかり築くことが求められます。

安全:
Science科学的に裏づけのあるもの(Evidence based)
安心:
Art受け手の気持ちの問題信頼関係、満足度が高いQOLにつながる

■食品の安全問題とは

 食品を通じて、人に何らかの健康障害を引き起こすものが食品安全問題です。
その意味では、安全といわれる食品も食べ方や食べすぎなどによって引き起こされる健康障害もありますが、ここでは、食品に含まれる有害な微生物や化学物質、自然毒などによって引き起こされる健康障害を考えていきます。食による健康障害は、食習慣や食文化、気候風土、社会情勢、宗教、経済状況などによってもその発生状況や違いがでます。
また、食中毒事故も発生し、時代とともに安全管理が確立しているはずにもかかわらず、事故は一向になくなりません。私たちにとって快適な状況は、実は、微生物にとっても快適な環境でもあります。また世界中からさまざまな食料をはじめとする物資や生物が入ってくることで、環境の変化もおきています。

 大量生産大量消費の時代によって、農薬や肥料、飼料などの過剰な使用や、食品添加物、養殖における抗生物質の使用などもみることができます。さらに、快適な環境や、生活が便利になったことによる日常の運動不足、そして過度な衛生管理により私たち自身も抵抗力が弱くなっているかもしれません。
 地球温暖化などの環境の変化は、大雨や干ばつの原因を作り、食料の確保という点で大きな課題となります。また、工業化や都市への人口集中にともない、大気汚染や河川・沿岸海水の汚染などが発生し環境変化をもたらしています。こうしたことから食品自体も、農産物では、色つきや味、保存性が悪くなる、畜産物では高温化によるストレスで肉質が落ちる、水産物の場合は、水質汚染や海流の変化などで生育や生態系に影響が出る可能性も考えられます。
 また、地球温暖化は私たちの健康そのものにも影響をあたえます。特に、このまま温暖化が進めば、感染症の増加や拡大などが予測されています。
このように、食品の安全問題については、さまざまな側面から考える必要があります。
わが国の主な食品安全問題にはつぎのようなものがありました。

森永ヒ素ミルク事件(1955)、カネミ油症事件(1968)、雪印乳業のの食中毒事件(2000)、遺伝子組換えトウモロコシ「スターリンク」の混入(2000)、日本でBSE感染牛を確認(2001)、中国産野菜の残留農薬問題(2002)、鳥インフルエンザ、ノロウイルスの猛威、不二家事件(2007)

■食品の安全問題に対する取組み

 食品のあらゆる安全問題に対処するために、平成15年7月1日に食品安全基本法が施行されました。この法律では、食品に含まれる有害な(微生物や化学物質などを摂取することで生じる健康危害の発生を未然に防ぐあるいは、健康危害を最小限にとどめるということを基本としています。
そして、内閣府に食品安全委員会が設置されました。
食品安全委員会の働きとしては、同委員会のホームーページには次のような説明があります。
「食品安全委員会は、国民の健康の保護が最も重要であると基本的認識の下、食品を摂取することによる健康への悪影響について科学的知見に基づき客観的かつ中立公正に評価を行う機関です」
 そして、この食品安全委員会は、厚生労働省、農林水産省と連携・協力して食品安全に対しての行政活動を展開することになりました。
 食品安全委員会が設置されたとしても、安全性が確保されたということではありません。あくまで、食品安全委員会は食品に含まれる危害要因を摂取することに対してどのようなリスクが考えられるのか、そのリスク防止を行政としてどう対処するのか、そしてそのリスクに対しての情報公開や意見交換を開催していくというものです。

 食品による健康危害を防止するためには、生産者や流通業者、消費者がそれぞれのレベルで食品の安全に対する意識をもって対処しなければなりません。決して行政の動きだけでは安全を確保できるものではありません。

(牟田実の食育講座 No.41)


2007.11.09 16:16:44 | きゃりあ塾 | コメント (0) | トラックバック (0)

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