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 食べれないほどの畑の野菜で相変わらず「すたれもの料…

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飽食から宝食へ
「食育講座 食を取り巻く環境3 (全6回)」

 高度経済成長のころ、ファストフードやファミリーレストランが現れ、カップめんなど手間をかけることなく食べることができる加工食品も登場し、まさに飽食の時代といわれました。あれからかなりの時間がたっていますが、私たちをとりまく食環境は、その時代以上に「飽食」となっています。

■飽食の時代

 飽食とは、飽きるほど食べるということです。この背景には、情報や物資が豊かになったことで、お金があれば好きなものを好きなだけ食べることができるようになったことにあります。また、お金がなくても、安価な商品が数多く販売されているので、安くて好きなものをいつでも食べることもできるということがあります。食べ物には不自由していないということです。
飽食によって、食べることの大切さやありがたさといった食の規範が欠如します。また、食のありがたさを感じなくなることで、食に対する興味が低下します。食に対する興味が低下するということは、食生活そのものが乱れる原因となります。
メディアで「○○が血をサラサラにする」「△△はダイエットに有効」というように健康効果を訴求すればするほど、それだけ商品が売れるという現象もあります。飽食であるがゆえに、情報に流されやすくなっている部分も否定できません。
その結果、生活習慣病などの健康の問題や好きなものだけをいつでも食べることができることからの偏食、さらに自分で好き勝手に食べる、エケットやマナーなどが理解できないといったまさに「放食」や「呆食」にもつながります。その結果食そのものが崩れてしまう「崩食」となってしまいます。

しかし、食は私たちの生きる源であり、人間関係を維持していく上で大切なものでもあります。私たち自身が食を「宝食」にしていく必要があります。

■食の大切さを考える動き「食育基本法」と「地産地消」

 「飽食」が「崩食」とせず「宝食」とするために、さまざまな考え方や活動が行われています。
そして、現代の食生活においてはさまざまな「ほう食」がみられます。
加工食品の増加に伴う「包食」、すぐ出ては消えてしまう、あるいは期限が近づくと廃棄されてしまう「泡食」、電車やバスの中でパンやジュースをほおばる「呆食」、親が放任している「放食」。このように私たちの食は、さまよっています。まさに「彷食」です。崩食を招かないように、しっかりと「宝食」を作っていかなければなりません。

 2005年(平成17年)6月に「食育基本法」が成立しました。この法律は、食に対する関心と理解を深め、健全な食生活を確立していこうというものです。
また、「地産地消」運動が、生産者、加工業者、小売業者、消費者組織、行政など様々なレベルで展開されています。
「地産地消」とは、地域で生産された農林畜産水産物を、その地域で消費しようというものです。
情報網や交通網が発達し、流通システムが確立することで、今後ますます「食(消費)」と「農(生産)」の乖離が拡大していくことが考えられます。その結果、私たちが口にする食品は日本中のみならず世界中のあらゆるところから運ばれてきます。距離が開くということは、食品の安全や安心に対するリスクが増加するということでもあります。そこで、できるだけその土地で生産されたものをその土地で消費をしていこうという運動が「地産地消」です。

地産地消の目的には次のようなものがあります。
1.失われつつある地域の食文化を守る
2.消費地と生産地の距離が短くなることで、消費者と生産者の距離も縮まりお互いの顔がみえる良好な関係を作ることができる
3.どのように生産されているか、流通されているかがわかるため、安全で安心な供給体制を構築することができる
この「流通」が、「食(消費)」と「農(生産)」との乖離を埋めるという店で「流通」と「地産地消」は対極にあるといえます。
しかし、排他主義的な過度の地産地消運動は、自由経済を阻害する可能性があります。また一定地域内で生産できるものは、気候や土壌、環境などの関係で限られており、料理における食材の選択肢の幅を狭めるなどの問題もあります。

■身土不二、土産土法、スローフード

 地産地消と同じような内容を示すものとして「しんどふじ身土不二」があります。
身(体)と土(生活する土地)は不二(密接に結びつき切り離すことができない)ということで、自分の足で歩くことができる4里四方の地元食材を食べることが人間の健康に良い影響を及ぼすという思想を表しています。
「土産土法」とはその土地で生産されたものは、その土地の「調理方法」で食べるのが良いということです。これは、料理の原点でもあります。その場で収穫したものをその場でおいしくいただくということです。ここから発展したものが郷土料理といえます。

「スローフード」は、1986年にイタリアで生まれた運動で、チェーン展開されたファーストフード(スローフード運動の中ではファストフードと表記しています)が大量生産、大量流通、食品添加物や遺伝子組換えといった食の均質化で、食を席巻していくことに危惧を抱き生まれた運動です。

スローフード運動では、次の3つの指針を掲げています。
1.消えかかっているすぐれた品種や伝統的な漁法・加工法を発見し、守っていくこと
2.生産者と消費者とが、より緊密な関係をつくっていくことを通じて、すぐれた小規模生産者を守っていくこと
3.五感の発達期にある子供たちへの味覚の教育に目を向けていくこと
(スローフードジャパン公式ウェブサイトより)

いずれも、飽食によって失われつつある伝統的な料理や、食の大切さ味覚そして安全などを見直していこうというものです。まさに、「飽食」から食を私たちにとっての「宝食」としようというものです。

次回は「流通の役割としくみを知ることは世の中を知ること」です。お楽しみに。

(牟田実の食育講座14)


2007.07.09 22:17:31 | きゃりあ塾 | コメント (1) | トラックバック (0)

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この記事へみなさまからのコメント

うーん、深い・・。

そして、いいこと言ってるなぁ。大事ですね、健全な食べ方。

そして「ホウショク」という音はいっしょでも、人間をマイナスへともたらすケースが今はホント多いですね。

奉食と称して食べ物をありがたく頂戴する とか保食と称して健やかな体を保つ食生活 とか
胞食と称して「自分の細胞が生き生きする食」と言うのもいかがでしょうか・・・。

いえ、ダジャレではなく(笑)て、マジメに考えてみました。


2007.07.10 16:43:03 | 名取瞳



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