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「食育講座 食生活とは?」
今回からは、7回にわたり「食生活」ということについて考えてみます。
小学館の大辞泉によると食生活とは、「生活のうちで、食べる方面に関する事柄」とあります。
「食生活」そのものを研究するにあたり、体系立てされた食生活学というようなものはありません。 生活全般の中で、食をどう捉えていくかという学問的アプローチが必要だと思われます。
これまで、食生活というとどうしても栄養学の領域と捉えられがちとなります。
そこで、この食育講座においては、栄養学と明確に区別する意味で「栄養学」とは別に「食生活学」という形で話を進めます。
食生活学では、私たちをとりまく食環境が主な対象となります。栄養学や疾病予防はだけでなく、食品の生産、加工、流通、物流、消費、安全、環境食文化、政治、経済など食をとりまくあらゆる面を勉強していくことで、私たちの食生活のあり方を見直すことが最大の目的です。
■食生活は、「ヒト・人・人間」でとらえること
食生活を考える時、食生活の主体となる「ひと」である私たち自身をどうとらえるかということが大切です。
「『ひと』を『ヒト』(生物的存在)・『人』(適応的存在)・『人間』(社会・文化的存在)の三つのレベルからの理解が欠かせない」 (食べることの心理学 今田純雄編 有斐閣選書)
これは、心理学における「ひと」の捉え方について述べたものですが、食生活においても、この理解は有効であると思われます。
まず一つ目の「ヒト」。これは動物の種としての「ヒト」です。私たちは「哺乳類サル目(霊長類)ヒト科ヒト属」に分類される動物です。動物としての生命を維持し、成長し、子孫を残すための食があります。この食によって、健康を維持増進し疾病予防や怪我や疾病からの回復を早めるため栄養素の働きの研究や、代謝の研究が行われます。まさに「何をどれだけ食べるか」ということがテーマとなります。
二つ目は「人」としての側面です。ここでいう「人」とは、個としての人という意味です。人はそれぞれ、個としての特徴を持っています。性別、性格、体格、体質、思考、嗜好、体力など個々人によってすべて違います。アレルギー体質の人とそうでない人とでは同じ食でも、体にとっての良し悪しが違ってきます。
三つ目は「人間」としての側面です。
私たちは、文字通り「人の間」で生きています。決して一人では生きられずに、人と人との関係や、社会との関係の中で、生かされているのです。そこには、コミュニケーションや社会のしくみ、ルールというものがありその中で生きています。そしてそれらが文化となっていきます。
「食生活」は、この三つの側面を視点として、私たちの生活を総合的に考え、その生活の中で食をどうとらえていくかということであるといえます。
■食生活のテーマは「いかに食をおいしくいただくか」
「おいしくいただく」というのは、うまみがある、食材が新鮮というだけではありません。
素材にこだわり、有名なシェフが調理した料理であっても、なにか心配事や悩みがあると、たとえ何か病気をしていなくても、食欲がなくなりおいしくいただくことはできないことがあります。
このように、おいしくいただくためには、まず心も体も健康で、気持ちの上でも元気でなければいけません。さらにおいしさは、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)で感じ、これまでの食体験や食経験、食文化、外部環境などさまざまな要素がおいしさを感じることに必要です。
食生活のテーマは「おいしくいただく」にはどうしたらいいかということと考えます。これを考えることは、私たちのQOL(Quality of Life:生活の質)の向上へとつながります。
次回は、「栄養学と食生活学は違う」
(牟田実の食育講座No.5)
2007.06.08 08:05:09
| きゃりあ塾
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