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規格という名の問題児
 私たちは、安全・安心なものが食べたい、体や健康に良い物を食べたい、新鮮なものが食べたい、おいしいものが食べたいと思っています。
 そんな私たちの気持ちが、実は、「規格」という名の問題児も育てています。
 その結果、私たちの食も危うくしています。
「規格」という問題児は、いったいどういうものでしょうか?

 スーパーマーケットにいくと、トマトやキュウリ、ニンジンに大根、レタスにキャベツとたくさんの野菜類が販売されています。魚売り場にも季節の魚が陳列されています。よく見ると、それらは見事に傷もなく、粒もそろい、大きさもほぼ同じできれいに並んでいます。イチゴのパックなどをみていると見事と思います。

 農産物や水産物は、自然の産物です。ですから、私たち人間が身長も体重も顔つきも性格も違うように、本来はバラバラが当たり前のはずです。でも、陳列されている生鮮品は、まるで工業製品のようです。

 カニの足が一本足りないと、売り物にならない。ホワイトアスパラガスが太陽の日を浴び、色が少し変わると出荷できない。メロンの表面に傷があると商品価値が落ちる。そこには、消費者のシビア(?)な目をクリアするために、選別されていきます。
 また、輸送にも梱包にも気を遣われます。気だけでなくお金も使われています。
私たちは、「産地廃棄」(農産物が大量に収穫されて、市場にそのまま出すと価格が暴落するために産地で出荷しないで廃棄してしまうこと)のニュースなどをみるともったいないと思います。それでは、選別され、売り物にならない農産物や水産物はどのようになるのでしょうか?
カニの足はバラにして販売するなどしますが、商品価値としては大幅に落ちてしまいます。

 外食産業ではこの「規格」が一層うるさいという話を聞きました。
たとえばレタスは一玉あたり100?120グラム以内と規格が決められている。200gあってもいいようですが、それはダメだそうです。サラダに使用するのであれば、レタスは何グラムとレシピで決められています。そして、一玉あたり何食分とまで決められています。大きさが小さすぎる大きすぎるなど「規格外」となると、味そのものが変わってしまう可能性があるのです。
 個人商店であれば、素材にあわせて料理を作ることができますが、チェーン展開している店舗では、料理にあわせて素材が求められます。レタスに限らずすべての食材に細かい「規格」が定められているそうです。提供側からすると「規格外」は商品にならないということになります。

 ある小学校の給食試食会にお邪魔した時も魚の切り身が出ましたが、大きさ(重さ)がしっかりと揃えられていました。

 以前、会社員時代にある大手ファストフードに「塩」を売りにいったことがありました。その塩は、フライドポテト用です。その塩にも規格があって、塩の結晶の大きさ指定がありました。〇〇ミクロン?〇〇ミクロンの間というのです。調理に使う塩を入れる缶のメッシュの大きさに合わせるためです。つまり、(結晶が)大きすぎると塩が目詰まりして出ない。小さすぎると塩が出すぎてポテトの塩味が増してしまう。塩の生産工場では、生産物をそれこそ「ふるい」にかけて大きさを合わせていくという作業が発生します。

 今、黒船(フードクライシス)が近づいています。水産物などは食料争奪戦がはじまっています。食料の輸出国からすると、日本のように厳しい規格を求める国に売るよりも、規格はあまりうるさくなく同じ値段で買ってくれる国があればそちらに出荷したくなるのは自然の流れです。

 私たちの食品に対する厳しい要求がこういった問題も生んでいるということを少しは意識しなければならないと思います。

 

2007.06.08 07:10:44 | 食彩人 | コメント (0) | トラックバック (0)

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