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「牟田実の食育講座3」
「外食やコンビニで弁当を買って食べていると病気になる。栄養のバランスを考えて食事をしましょう」
よく言われることですし、正しいことですのでこれに対して誰も異を唱える人はいないと思います。
しかし、前回のこの講座でお話したように、食の外部化は一層進みます。自分の意思とは別に、外食をせざるを得ないケースがこれからどんどん増えていきます。
■これからの食生活をどうみるか
前回お話したように、今後は食の外部化が一層進みます。
「家で食事を作る」という概念が変わってくると思います。
たとえば、「みそ汁をつくる」というケースを考えてみます。
だしをしっかりとって作るケース、だしの素をつかって作るケース、お湯を注ぐだけで作るケース、そしてすでに出来上がっているみそ汁を買ってきて温めるケース。
どれが「作る」というのにあてはまるでしょうか?
実は、ある人は、だしからとるのが「作る」と考えるでしょうし、電子レンジで温めるのも調理のひとつで「作る」であると考える人もいるでしょう。
つまり、自分では食事を作っていると感じているのですが、それは外部化しているというケースも数多くあります。調理は、「素材から作る」時代から「製品をアレンジする」という形に変わっていきます。
現代人のライフスタイルを通して見えてきたことは、「食形態の将来は限りなく外部化に向かっていく」ということです。「食事は、素材を見極める力を持ち、それを自分で調理をして、家族が揃って食べる」べきであるという考え方を、否定するものではありませんが、一方で食の外部化は決して止めることが出来ない流れであるということも分かってきました。
食生活を考える場合は、食の外部化を否定するのではなく、前提条件として考える必要があります。
今後一層進む外部化する食をどうとらえ、「食をおいしくいただく」ためには、私たちは何をすべきかを考えなければいけません。
■これからの食生活アドバイスは「何をどれだけ食べるか」から「どう食べるか」の視点が求められる
BSE、鳥インフルエンザ、ノロウイルス、O157、食品表示の偽装問題、食品添加物、残留農薬、遺伝子組換え食品など私たちを取り巻く食の安全や安心についての関心はますます高くなっています。
また、2005年に施行された食育基本法により、あらゆるところで「食育」の必要性が叫ばれています。
メタボリックシンドロームや生活習慣病予防という点でも食生活の重要性が指摘されています。
我が国の食料自給率はカロリーベースで40%(注1)ときわめて低い一方で、食品産業における平成17年度の食品廃棄物等の年間発生量は1,136万2千トン(注2)となり、国民一人当たり年間89kg(注3)廃棄していることになります。
これからの食生活を考えるためには、単に栄養素を中心とした、「何をどれだけ食べるか」ということではいけません。生産者と消費者の距離がますます開いていく食の外部化の中で、私たちの口にしている食品がどのように生産され、流通されているのかといったしくみを知り、適切な食品を選択する力を持つことが求められます。そして、おいしくいただくための雰囲気作りや食文化食習慣の理解、世界的な食糧問題の視点を持つなど、「どう食べるか」という部分が求められます。
注1:農林水産省 平成15年度カロリーベースデータによる
注2:農林水産統計 平成18年11月17日公表分
注3:総務省統計局人口推計月報平成18年7月1日現在をベースに計算
2007.06.01 06:38:02
| きゃりあ塾
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