オーストラリア Food letter
<Australia での食・Australiaから見た日本の食> 5通目
今回からオーストラリアのスーパーマーケットの様子を売り場ごとに詳しくお伝えします。
水谷かや子
以前お伝えしたようにオーストラリアのスーパーマーケットはとても広いです.例えるなら日本の中学校、高校の体育館の広さ位でしょうか。
その分売り場ごとの充実度も中々のもので半日はスーパー巡りをしていられます。
かの私もスーパーが大好きで毎日のように通っていました。特に月曜日は欠かさず。そうです。前の週の水曜日か木曜日頃に大手3大スーパーの広告が入り、月曜日から安売り商品の入れ替えなのです。
特価商品はこっちのスーパーが安い時はあっちのスーパーも同じ商品を特価に、と言った感じで日本と変わりません。
今回は野菜売り場からのレポートです。
お店に入って直ぐ野菜売り場というのは、従来の日本のスーパーの形と変わりません。しかし、ほとんどの野菜果物が量り売りなのです。リンゴ、バナナ、桃、マンゴー、ぶどうと言った果物からキュウリ、人参、トマト、マッシュルーム…の野菜まで全て個包装されずに一つずつ山積みにされていて、その山積みから自分の必要な分だけ袋に入れます。リンゴ、桃、キュウリ、人参なんかは日本も同じですよね。それが、バナナ、ぶどう、マッシュルーム…と言った日本ではパック詰めされているべきものまでもが.お好きな分だけと言った販売方法で、初めてこの光景を目にした時は度肝を抜かれました。
さて『お好きな分だけ』の中身はと言うと、バナナ、ぶどうなんかは一房ずつと言った日本的な感覚はなく、バナナであれば一本必要なら一本だけ房から引きちぎって買い物カゴへ、3本必要なら3本必要なら三本引きちぎって、1房必要なら一房、ぶどうは房の半分必要なら半分手で切ってと言った具合です。マッシュルームは必要な分だけマッシュルーム専用の紙袋に入れて買い物カゴへ入れます。
あまりの文化の違いに初めは躊躇してしまいましたが、実はこれとても合理的なのです。
必要な分だけですから、余って腐らせてしまうという食品廃棄量は減ります。そして、手に取って選ぶので硬さ、色、重さから食べ頃を見分ける力が自然と備わっていくのです。
ほとんどの野菜果物がグラム売りで、時期にもよりますが、日本円でリンゴ(日本の物より小ぶりでそのままかじりつける大きさが主流です)、バナナ.トマト等は一個(1本)30円くらいです。
味は、広い大地で澄んだ空気の中太陽をさんさんと浴びているからかそれぞれの味がしっかりしていて美味しいです。
なすび、ホウレン草、柿、梨など日本ならではと思われがちな食材もしっかり売っていす。その中でも柿のネーミングは面白いです。Fuyu fruit=フユフルーツという名前で売っているのです。確かに冬(正確には秋ですが)のフルーツですが、この辺は日本語を拝借しているようです。
個人的にキノコ類が大好きなのですがキノコはマッシュルームのみ.キノコイコール英語ではマッシュルームですが、オーストラリアでは日本で言う白くてシチューなどに入れるマッシュルームしかありません。あるスーパーでアジアンマッシュルームと書かれて椎茸、舞茸のような物などが詰め合わせになったパックがありましたが600円程。とても手が出ませんでした。
余談ですがブラジル人の友達は日本食で椎茸が一番美味しいと言っていました。地球の反対側で椎茸が食べられている事も驚きましたが、ブラジルでも名前が『Shiitake シイタケ』のままである事にもっと驚きました。
水谷かや子