今日9月9日は重陽(ちょうよう)の節句です。
旧暦では菊が咲く季節であることから菊の節句とも言われます。
9月6日に「箸道」会食術講座がありました。
今回は、重陽の節句を前に、祝い膳のいただき方を勉強しました。
中国の陰陽思想では、奇数は陽の数字であり、陽の数の一番大きな数字が9が重なる日ということで「重陽」と呼ばれ9月9日はめでたい日とされていました。(日本箸道協会理事長 民俗学者石上七鞘)
その重陽の節句に向けた祝い膳を、箸道会食術でいただきました。
今回は、その一部をご紹介します。
祝膳の献立は、銀座木挽町の料亭 料理長 岩佐博紀様によるものです。
●前菜(写真)は、菊花紅白なます、子持ち昆布、車えび芝煮、床節旨煮(とこぶしうまに)、かます寿し子持ち昆布には、子宝に恵まれる、よろこぶ(昆布)につながる、車えびは、ともに腰が曲がるまで(長寿で)といった願いが込められています。
(前菜 右手にあるのは、菊の花びらがはいった杯、菊酒用)
●お椀(写真)蛤潮仕立、紅白日の出、粒椎茸、三つ葉、金箔。蛤のような二枚貝は、夫婦円満といった意味があります。
(お椀)
●焼き物(写真)小鯛塩焼き、菊花大根・酢立御頭つぎの鯛は、これまで持ち帰るもので、お椀に入れたり、煮物にしたりしていただいていましたが、今回じっくりいただく機会がありました。なんと美味。おいしかった。
(焼き物)
●煮物(写真)菊花蕪菁(かぶ)スープ煮、壬生菜(みぶな)沢煮、うす揚げこれは大きなかぶを彫刻等で削って菊の花のように削ってあります。すごい。祝い膳なので、角が立たないようにという意味合いから、面取りがしてあります。これまたすごい。
(煮物)
食事はまさに作り手からのメッセージを感じることでもあることを痛感しました。