謝罪の仕方ひとつで、誠意を感じたり、逆にさらなる怒りを買ったりするんだなというのを、ここ数日間の二つの例で勉強しました。
一つは、東京電力社長の被災地での謝罪。もう一つは、焼き肉チェーンでの集団食中毒に関する社長の謝罪。
どちらも、さらなる怒りや不満を買ってしまったなと思う謝罪でした。
5月4日東京電力の社長が被災地の首長と避難生活をしている被災者に謝罪で訪れました。
同社社長は「土下座」をして頭を下げていました。たぶん、社長の心の内は、本当に迷惑をかけて申し訳ないと思っていたと考えたいです。
今回の謝罪で問題は、タイミング。謝罪の原則は、すぐに行うことです。
電車の中で他人から足を踏まれてしまい、その人からすぐに「ごめんなさい」と謝られれば、気分を害することはあまりないと思います。しかし、ちょっと間があくと謝罪する方もしにくくなるし、される方も「なんだこいつ」という感情になります。
足をふまれたことと原発事故では、内容が違うと言われそうです。しかし、謝罪の原則は同じだと思います。
よく、謝罪をすぐにすると、自分の非を認めたことになるということを言われます。
そのせいか、政府も「事実関係を確認がまずは最優先」という答弁を聞きます。
「謝罪」のやり方としては、これらはまずい。
まずは、原因は何にしろ迷惑をかけたのは事実なので謝罪すべきでしょう。
間があいてから謝罪すると、たとえ心から謝罪をしても「形だけ」というように見られてしまいます。
謝罪のタイミングは極めて重要ということをあらためて感じました。
さて、焼き肉チェーンの社長の方です。
こちらは、事件が起きてからすぐの記者会見ですぐに「謝罪」をしていました。「とりかえしのつかないことを引き起こし、誠に申し訳ありませんでした」と深々と頭をさげていました。しかし、そのしぐさとは逆に、全く謝罪しているという感じがしません。
飲食業界では、よく朝礼や開店前のお店の中で大きな声をだして唱和の練習をします。
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」
「お待たせしました」
「少々お待ち下さい」
「申し訳ございませんでした」
今回の「謝罪の仕方」は、この唱和のノリなんですね。
だから、口や頭を下げるしぐさでは十分に謝っているようですが、まったくそれが相手に通じていない。
声を大きく深々と頭を下げればいいというものではない。
この社長も今回の事件を通じて少しは成長してくれることをのぞみます。