福島の原発事故で、農産物の出荷制限につづき、本日3月24日には、浄水場から乳児の規制値をこえる放射線物質が検出されたというニュースがありました。
こういった報道の時に必ず出てくるのが、「念のため・・・」「ただちに健康被害はない」「当分の間出荷しない、摂取しないに・・・」「冷静な対応を」
どうもこういった表現が逆に不安を引き起こしている気がします。
「ただちに、健康被害を与えるものではない」
「ただちに・・ない」ということは、時間が経てば「健康被害がある」ということなのでしょうか?
また、どういう状況であれば健康被害をあたえるのでしょう。
国民はそこが一番知りたいところです。
「念のため、出荷停止を指示」
「念のため」ということは。危険の可能性があるということが前提です。(その前提を受けて)「危険の可能性についてはどうですか?」と記者が質問すると、「ですから念のためです」と答える。
問答が循環論になっていて、禅問答のようですね。
「当分の間」
これも良く出てくるフレーズです。当分の間とは一体どれくらいの期間のことなのでしょう。
また、数値解説の時に、CTスキャンを受けた時の放射線量と比べて・・・・とありますが、
CTスキャンはたぶん長くても30分。しかも、管理された中でのものです。極めて限定的です。
しかし、事故が起きている現在は、四六時中大気の放射線を受けているわけですので、比べる物差しとしてはちょっと違うような気がするのですが。
そういう素朴な疑問が、不安感につながっているのではないでしょうか?
今日は、きっと店頭から水がなくなるでしょう。
言葉はむずかしいですね。
まさに「初めに言(ことば)があった。言(ことば)は神とともにあった。言(ことば)は神であった。<中略> 言(ことば)の内に命があった」 (新約聖書 ヨハネの福音書 第1章1節~4節から)
抽象的な表現やあいまいな表現は、受け取った側が勝手に解釈をするので、ますます混乱が起きる原因となります。