私たちは言葉を使って仕事をしています。
日本の企業であれば日本語が中心。外資系であれば日本語だけでなく英語あるいは他の言語を使って仕事をしているかもしれません。
しかし、この言葉が社内で意外に通じていないのです。この言葉とは語学力と言う意味ではありません。
社内で通じていないものが社外で通じるはずがありません。
■ファシリテーションとは何か
前回の復習です。
ファシリテーション技法とは、企業が抱える見えない問題点を質問を重ねていくことで浮き彫りにし、
解決策を企業自身で見つけてもらいそれを業績につなげていくという手法です。
■あなたの会社の経営理念は
今回は第2回目 社内の言葉について考えてみます。
ある企業の経営理念は「品質第一、売上第二」というものです。
その会社のさまざまな部門の社員に「あなたの会社の経営理念は何ですか?」と聞くと、
全員「品質第一、売上第二」と答えが返っています。全員がこの経営理念を共有しています。
しかし、共有しているようで実は共有していないケースがよくみられます。
「品質とはなんですか?売上第二とはどういういみですか」と聞くと、その答えが部署でバラバラです。
製造部門では「品質を維持するためには、コストがかかるのが仕方ない」
営業部門では、「品質第一、売上二の次」と都合よく解釈されてしまいがちです。
だから営業会議で売上ノルマやそのノルマが未達成で責められると今一つ納得できない。
あるいは、「品質第一、売上第二」でしょと弁解の材料になってしまう。
本来の意味は、たぶん「売上を追いかけるがゆえに、品質を落とすようなことがあってはならない」というようなものであったはずです。
経営理念は全員が言えても、その内容の理解に差があることはよくあります。
■利益とはいったいどの利益?
トップが訓示で「今期は利益率の向上をめざす」といったとしまう。この場合も、受け取る社員はその利益がどの利益を指すのかによって、その行動が違ってきます。
はたして、ここで言う利益とは、粗利益(売上総利益)を示すのか、営業利益を示すのか、当期純利益を示すのか。もし、粗利益であればいかに売上を上げて仕入れや製造コストを下げるかという話になりますし、営業利益であれば、粗利益をあげること、経費を節減するかということになります。
トップのことばがトップの意図するまま部下に伝わっていない可能性があるということです
■仕事なのか作業なのかに分けてみる
たとえば、毎日仕事が忙しい、残業が多い、何とかしてほしい。人は足りなしし、仕事は増える。
今ことでは、満足な企画提案もできないし、からだを壊してしまいそうだ。
会社として何とかしてくれー
こんなことありませんか?
こういうときにはまず言葉の定義をしてみます。
「仕事」と「作業」と言うことを考えてみます。
仕事・・・創造的なことでその人しかできない
作業・・・仕事の付随的に発生するもの、その人以外でもパソコンやアルバイトでも対応可能
この定義をもとに、自分の仕事をみなおしてみます。
はたして、仕事が忙しいのか、作業が忙しいのか?
そして、本来何に重点をおいてすべきなのか、優先順位は何かなどを考えてみます
それによって対応策が変わってきます。
また、自分の業務の内容が見えてきます。
このように言葉を考えることで効率化や伝達力がぐっと改善されます。
実はよく使われている言葉で、意味がわかっているような言葉ほど相手に通じてないあるいは違う理解をされているというケースがあるように思えます。
例:コミュニケーション、ネットワークなど