上司から食事に誘われると「何かあるな?」と感じます。
この「何か」とはおおむねこちらにとっては「歓迎すべきことでない」場合が多い。
そんな経験ありませんか。
また、上司と部下の関係でなくても、何かこみいった話があると「食事でもしない」と言うことがあります。
食事をするということは、じつは交渉事や面倒な話をするときには有効な手段なのです。
最近は、経費節減で「接待」の場面が少なくなりました。その「接待」も実はただ飲み食いするだけが目的ではありません。裏にさまざまな思惑があります。
心理学的に食事をすることで要求や交渉事に一定の効果があるとしたものが「ランチョンテクニック」です。
「ランチョンテクニック」とは1930年代のアメリカの心理学者グレゴリー・ラズランという人が提唱したものです。
おいしい食事をして楽しい時間を過ごすと、話の内容にポジティブに結びつくというもの。
食事というのは人間の本能を満たす行為であり、食事をしているときは、対立を避けようという傾向があるそうです。そのため、食事をすることで要望や交渉事が受け入れらる確率が高くなるとのことです。
ラズランの実験では、被験者にまず政治的意見を表示します。つぎに、食事をしているときに同じ政治的意見を表示します。すると同じ内容でも食事中に受けたものは、そうでないときに比べて好意的にとらえられたというものです。
さらに、この政治的意見の内容について確認してみると、その内容を思いだせない、つまり内容ではなく食事によって無意識に好意的に変化しているということです。
「連合の原理」ともいわれますが、何か自分にとってプラスに働く環境にいると、それに結びついてプラスに感じるというものです。
私もあの場所に行くと何となく元気になるということがあります。以前そこで自分にとってなんらか好印象をもつことがあり、その場所と結びついた「連合の原理」が働いているのだと思われます。
彼氏、彼女と食事をする時、おいしく楽しくいただくことはその後の二人の関係にとって、とても重要であることがわかります。
食事をいかにおいしく楽しくいただく大切さを改めて認識です。