1月30日に東京で「食を考える国民フォーラム」というシンポジウムに聴衆のひとりとして参加してきました。
今回のテーマは「食事バランスガイドを出発点に、地域の食文化や地産地消を考えよう」 (主催:食育シンポジウム協議会・食を考える国民会議、事務局:財団法人食生活情報サービスセンター)
正直いってよくわからないシンポジウムでした。
食育とは何か。何を訴えたいのかがよく見えないイベントでした。
食育は踊るという感じです。
「食を考える国民会議」代表 服部幸應氏があいさつでつぎのようなことを話されていました。
食育には三つの柱がある。
1.食を選ぶ力 食の安全や安心を見極める
2.食文化の継承 日本の伝統的な食文化や地域の食を守り伝えること
3.環境 エコや食料問題について考える
パネルディスカッションでは食育の柱は「食事バランスガイド」とのことでした。
前述の食育の三つの柱とはどういうつながりがあるのでしょう。
また、パネラーのひとりである現役の中学校の校長先生はつぎのことを言い切っていました。
これまたびっくりです。
授業やさまざまな会合でよくする話ですとの前置きの後、
「ある有名大学の学生が栄養失調で死亡した。家族がその学生の部屋に入ると、そこにはカップラーメンばかりであった。バランスの良い食生活をせずカップラーメンばかり食べていると死亡する。
ある拒食症の女性も同じく死亡した。どちらも食生活が非常に大切であるということを示している。」
これをシンポジウムの席で言い切ってしまうのがすごい。
どうも「食育」を語る時、この手の推測される相関関係を因果関係に置き換えてしまうことがよくあります。
拒食症は食生活ではなく心の問題です。学生がカップラーメンばかり食べていたら栄養失調になるかもしれませんが、それが原因で死亡するというのは、かなり無理があります。
スナック菓子を食べてばかりいるとキレやすくなる、朝ごはんを食べる子は成績が良い。
これも相関関係はあるかもしれませんが、因果関係(原因とその結果)にあるかというとわからない。
どうも食育を語る時、こういうケースが多く見られます。
それにしても、校長先生がこれでは困ります。