内閣支持率が大幅に落ち込んだというニュースがあった12月8日に、次のようなニュースもありました。
世界貿易機関(WTO)事務局が農業分野での議長案として「原則4%」というのが示されました。
これで与党の農家票がまた一気に離れていくことが予想されます。
そもそもこの「原則4%」とはいったい何でしょう。
現在、国内の農業や産業を保護する為に「重要品目」として高い関税をかけています。
「原則4%」とは、この重要品目を全品目数の4%(輸入枠を拡大するなどの措置をとれば最大6%)にするということです。
現在農業分野での品目数が1,332品目あります。 つまり、この「4%」ということは、 50数品目となります。最大の6%としても80品目程度です。
現在200%以上の高い関税を課している品目は、コメ・麦・砂糖など101品目あり、全体の8%程度です。ですから、日本としてはなんとか8%のラインは死守したいとしてきました。
もし、提示された議長案が通れば「重要品目」として保護できるのは50-80品目程度に絞り込まれることになります。 現在、コメだけでも、関税率778%の精米、同568%の玄米など17品目あります。
これらのコメの保護を優先させると、高い関税で保護してきた砂糖(56品目)や乳製品などがはずれ、生産農家への打撃は大きくなることが予想されます。何を重要品目とするかという議論ももめそうです。
国内自給率をなんとかアップしていかなければならない中でまたまた厳しい局面です。
しかし、一方で保護政策は世界の流れから考えるとそれは逆行するものです。
日本の農家が競争力を持てる施策が求められます。
そのために農業政策をどうするのかが課題です。実はこの課題は急に出てきたものではなく、昔から言われてきたことです。いよいよ先送りできずにお尻に火がついた形です。
麻生首相も苦戦続きですが、今のままでは、この結果を受けて今度は与党は農家票を失うことになりそうです。