非行少年の立ち直り支援や子育てのサポートをしている団体がシンポジウムを開催したという記事が新聞にでていました。
そのシンポジウムのテーマは「食育で非行防止を」というもの。
基調講演では少年鑑別所主席専門官が、鑑別所の入所者が規則正しい食生活を送ることで非行から立ち直っていることを紹介。これを受けてパネルディスカッションを行ったとのこと。
パネラーの小学校の校長は、笑顔で登校する児童の多くが早寝早起きだという指摘をし、朝ご飯をしっかり食べさせることが大切と話したそうです。
なるほど。
食育で非行防止。
しかし、ちょっと変だなぁ。
「規則正しい食生活で非行が防止できる」こういうシンポジウムを開いてしまうこと自体すごいなと感心してしまいます。 なにがすごいかって? さも因果関係があるように言い切ってしまっているところがすごい。
鑑別所で規則正しい食事をしているから非行が立ち直る。鑑別所というのは、そもそも非行を立ち直らせる施設。 規則正しい食事で非行が立ち直るのであれば、なにも鑑別所ではなくて、旅館やホテルでも構わないのではということになります。
「笑顔で登校する児童の多くが早寝早起き」というのも明確な根拠がありません。どうも「食育」に関しては、この手の話が多いような気がします。化学調味料やスナック菓子を食べる子はキレやすい、ご飯をしっかり食べる子は成績が良い。カルシウム不足は我慢強さをなくす。 「食育」と称してよく言われることです。いずれも相関はあるかもしれませんが、因果関係は証明できません。
それこそ食を見抜く力「食眼力」をもってこの手の話は何が真実なのかをしっかり見抜くことが大切です。