ジュネーブで開催されている世界貿易機関(WTO)の交渉状況に注目です。
このWTOの会合については、日本国内では、大きなニュースとしては取り上げられていませんが、
ここでの交渉結果いかんによっては、日本人の食生活に大きな影響がでる可能性があります。
このWTOの会合では、先進国、開発途上国それぞれがさまざまな思惑があり、ある時は市場を開放しろという要求側になり、ある時は市場を守るという防御側にまわるいった状況です。
そのため、簡単に結論がでるということは極めて難しい状況です。
そういった中で農産物については、 WTOのラミー事務局長が7月25日にある案を提示しました。
その内容は、「重要品目」は全農産品数の4%とするというものです。
各国は、国内農家の保護のために農産物を指定して「重要品目」とし、外国から入ってくるものについては関税をかけています。
日本でもコメや砂糖など高い関税を課しています。WTOの流れとしては、この関税障壁を排除しようという動きになっています。
日本の農産物は1332あり、このラミー提案では、「全農産物の4%」とありますので、これに基づき日本が関税を引き下げることで、外国から農産物がどっと入ってくる可能性があります。
消費者からすると安い農産物を選べるというメリットはありますが、日本のように農家の多くが零細であることから考えると農業そのものが衰退することが考えられます。
また、39%という国内自給率がさらに下がる懸念があります。
日本政府は、譲れない線としてなんとか8%を確保したいとしていますが、きわめて厳しい状況になっています。
昨日のニュースでは若林農水相は「8%に向けて努力する」というコメントになっています。
「努力します」とは白旗をあげたという感じです。
今後もこの会合の成り行きには注目です。