新聞紙上に、食に関する二つの資格の通信教育の宣伝が、結構大きなスペースを割いて掲載されていました。
それぞれ次のようなコピーライトがついていました。
「乱れた食」から子供たちを守る!
健康をサポートする「食」のスペシャリスト
今の世の中、それこそ世の中から求められている必要な資格と感じる人も多いかもしれませんが、
中身をよく確認する必要があります。
何度もここで取り上げていますが、食に関してはさまざまな資格があります。
今も新しい資格や検定がどんどんできています。
食の安全や安心について連日報道されていると、こういう知識を身につけなければ・・・感じるのも当たり前です。
さて、昨日の大手新聞朝刊に「食」に関連する二つの資格の通信教育の宣伝が出ていました。
ひとつは食育を指導できる専門家の養成。そしてもう一つは、食べ物の効能を知って健康づくりに生かせる専門家を育成するというものです。
前者には、
「乱れた食」から子供たちを守る。
後者には健康をサポートする「食」のスペシャリストとコピーライトがありました。
食品偽装やギョウザ事件以来食の安全の問題が取り上げられたり、先日の秋葉原事件・八王子の駅ビルでの殺人事件など簡単に「キレル」若者が増えるのを見ていると、私たちの生活と日頃の食の大切さと関連付けて考えてしまいます。
そしてそのうちの一つの通信教育の宣伝文として次のような案内が出ています。
「いつでも手軽に食べ物が手に入る現代では、不規則で栄養の偏った食事を続けがちです。その結果、子供たちの味覚異常や、肥満、生活習慣病などが急増し、問題となっています。正しい食事は健康な生活の基本であり、自己管理能力や豊かな心を養います」(原文のまま)。
不規則で栄養が偏った食事を続けると、子供たちの味覚異常や肥満、生活習慣病急増とはなんらかの関係はあるかもしれません。しかしそれは原因と結果ではありません。
味覚異常は食べ物で起こるというよりも、むしろ別のことが原因かもしれないし、肥満も運動不足や病気によるものかもしれません。
不規則な食事や栄養の偏りと味覚異常や肥満とは何らかの相関関係はあっても、原因と結果の因果関係にはありません。それを因果でむすびつけてしまっているのは良く見られるパターンです。
もうひとつの資格の案内は、
医食同源。肩こり・むくみ・冷え性・・・気になる体調不良も薬膳が有効ですとあります。
食材の基本的な性質から組み合わせ方まで学んで健康づくりをサポートする資格
だそうです。
食品表示で考えると、「肩こりに有効」などと書くと薬事法に引っかかる可能性があります。
この宣伝文もグレーゾーンですが、「健康づくりをサポートする」という表現は、ギリギリ考えたコピーなんだなと感じます。
そもそも食事によって、病気予防の効果や回復を早める効果は考えられますが、病気を治すことは薬ではないのでできません。
どちらも勉強しないよりはしたほうが知識を得るという点ではいいのかもしれませんが、最近食に関するさまざまな資格が乱立しているのを見ていると本当にそうなの?と疑ってしまうものも数多くあります。
内容をしっかり見極める必要があります。
そして、その資格を取ると仕事に活かせる、就職に有利と考えている人が多いようです。
食に関してさまざまな資格ができています。自分自信の勉強のためと割り切ればいいですが、それで就職などが有利になる、それで食べていけるということはほとんどないでしょう。
それこそ職育も必要かも。
職育インストラクターという資格でもつくりますか。