光文社新書の「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」松永和紀著という本を読みました。なかなか面白かった。環境ホルモン、遺伝子組換え、オーガニック(有機栽培)、食品添加物などについて危険を煽ることでニュース性や話題性をメディアが作っているといった内容の本です。
ご一読をお薦めします。
たとえば「食品添加物は健康障害を引き起こす可能性は少ない」というのはニュースになりませんが、「食品添加物はきわめて危険」と取り上げるとニュースになります。危険キャンペーンを展開することでもっとニュースになります。
そして、消費者には添加物は体に良くないとインプットされ食品添加物=有害物質という図式に展開していきます。
また、逆に「○○は体に良い」というのも同じで、○○だけ食べていれば健康に慣れるかのような錯覚に陥る。メディアの報道や取り上げ方にバイアスがかかっているというものです。
気軽に読める本なので読んでみてください。
この本の最後に科学報道を見破る十か条というのがありました。ご参考まで紹介します。
1.懐疑主義を貫き、多様な情報を収集して自分自身で判断する
2.「○○を食べれば・・・」というような単純な情報は排除する
3.「危険」「効く」など極端な情報は、まず警戒する
4.その情報がだれを利するか考える
5.体験談、感情的な訴えには冷静に対処する
6.発表された「場」に注目する。学術論文ならば信頼性は比較的高い
7.問題にされている「量」に注目する
8.問題にされている事象が発生する条件、とくに人に当てはまるのか考える
9.他のものと比較する目を持つ
10.新しい情報に応じて柔軟に考えを変えていく