昨年の2007年を表す漢字は「偽」でした。
ミートホープ事件に代表される食品の偽装や食品表示の偽装が続きました。
公正取引委員会が出した排除命令も56件となり過去最高です。
消費者としては、正しい食品表示を期待したいのですが、実はこの「正しい」食品表示がむずかしいのです。
食品業界大手の味の素が販売している冷凍ギョーザの原料表示に優良誤認の可能性があると農水省から指摘をされました。
また、東京都では、冷凍加工食品の原産地表示について独自の基準を設けて、この夏にも実施をすることが決まりました。
前者の味の素に関しては、原材料の農産物が調達状況に応じて原産地が変わる可能性があり、「国産又はオーストラリア」というような表示をしていたものが、国産と優良誤認されるということで指摘を受けました。
JAS法で定める原料原産地表示は指定された24食品群ですが、東京都の新基準では、すげての調理冷凍食品が対象となります。この新基準では、調理冷凍食品の原材料のうち、重量の割合で5%以上を占める上位三位までについて原産国の表示を義務付けるというものです。
また、ニラギョーザというように原材料が商品名に含まれる場合は、その原産地も表示の義務があります。
しかし、農産物は一定の地域から安定的に供給を受けることはむずかしく、仕入先が変更することはありえます。容器や包装に原産地を記載した後、仕入先が変更となることも考えられます。
正確な食品表示をすることは、実際には非常にむずかしいこともあるのです。