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内閣府が出している平成18年版の「食育白書」を読みました。
白書のなかの第1章(不規則な食事)に次のような記述があります。
「毎日朝食を食べる子どもほど、ペーパーテストの得点が高い傾向にあることが明らかになっている
(図表―18)」(食育白書10ページ)
この食育白書は、平成17年6月に成立し、同年7月に施行された「食育基本法」に基づいて発行されたものです。
「食育推進にいたる背景と取組みの本格化」と「食育推進施策の実施状況」がこの白書の内容大項目です。
さて、前段に紹介したペーパーテストと朝食の関係ですが、図表-8というのは、朝食をどの程度食べるかというのと、テストの点数を棒グラフ化したものです。
小学5年生と中学2年生を対象とし、国語、算数、理科、社会、英語(中学2年のみ)の点数と、朝食の状況を図式化してあります。
たとえば、小学5年の国語を例にとると、つぎのとおりです。(カッコ内はテストの得点)
必ずとる(509点)
たいていとる(479点)
とらないことが多い(453点)
全く、またはほとんどとらない(439点)
これを、みると白書を読んだ人は、つぎのような結論に至るのではないでしょうか。
「朝食を食べないと成績が悪くなる。朝食を食べる子は成績が良い。だから朝食と成績とは密接な関係がある」
この白書の記述を読むと、みなさんは、「朝食と成績は関係があるんだ」と感じませんか?
でも、白書をよく読むと「毎日朝食を食べる子どもほど、ペーパーテストの得点が高い傾向にある」と書いてはありますが、「朝食と成績に関係がある」とは書いていません。
しかし、受け取る方は「関係ある」と解釈しますよね。
朝食をしっかり食べる子どもは、生活のリズムがしっかりしています。たぶん、保護者も子どもの生活リズムに対しての指導をしているケースが多いのではないでしょうか?その意味で、勉強をする習慣が、朝食を食べない子に比べると食べる子どもたちにはあるということではないでしょうか? また、「宿題はやったの?」というように、勉強に対してもある程度の指導があると思われ、実際に朝食が成績そのものと結びついているかどうかは疑問です。
白書を読んで感じるのは、はじめに結論ありきではないかということです。
朝食の欠食率は高い、PFCの比率(たんぱく質P、脂質F、炭水化物C)も年々、炭水化物が低くなり、脂質が上がっている、野菜摂取量が少なくなっている、肥満が年々増加、食品のロス率が増加、外食が増えているというような傾向をあえて出しているような感じがするのですが。もちろんこういった傾向が見られることも事実ですし、大きな問題につながる可能性はあります。
しかし、必要以上に強調されているのではないかと疑いたくなるのも事実です。
たとえば、PFCでいえば、日本型食生活の理想とされる、昭和55年と平成15年では、エネルギーの栄養素別摂取構成比率は変わりありません。
昭和55年(P 14.9%、 F 23.6%、C 61.5%)
平成15年(P 15.0%、 F 25.0%、C 60.0%)
白書6ページのデータから。
タウンミーティングのやらせではないですが、内容を精査すると本当にそうなの?と思います。
そう感じるのは私だけでしょうか?
2006.12.17 12:54:58
| 食彩人
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