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「食育講座 シリーズ7 食を取り巻く環境4(最終回)」
食育講座もシリーズ7まで開講し全49回ありました。
今回がこの食育講座の最終回です。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
さて、今回は、私たちの生活と食について考えてみます。
■家計の中の食
所得の高い人も低い人も生きていく上で食事は欠かせません。家計の消費支出に占める食費の割合をエンゲル係数といいます。ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲルが1857年に論文で発表したものです。
所得水準が高いほど、エンゲル係数が低くなるというものです。
しかし、現在ではこれがこのままあてはまるとは限りません。食費自体もバリエーションが増えています。ハンバーガーも100円のものから1,000円以上するものもあります。また、ライフスタイルの変化で必ずしもエンゲル係数が低いのは高所得者、高いのは低所得者とは言い切れなくなっています。同じ所得があっても、大部分を外食する場合と家庭で作る場合とでは食費の割合も変わってきます。
家計が手にする所得から、社会保険料や税金、ローンの支払などもろもろの経費を差し引いたあとの自由に使える所得(貯蓄も可)のことを可処分所得といいます。この可処分所得に占める食費の割合は食への関心度と関係があるといえるかもしれません。
■消費者問題
健康への関心が高まる中で、健康食品の販売など食に関してもトラブルが多く発生しています。
安全が確認されていない原料が健康食品に使われている、問題がある食品であっても、個人輸入で簡単に入手できる、雑誌・書籍などで過大に効果をうたう宣伝が行われているなどが上げられます。実際に健康被害が出たり、高価な商品を買わされる、期待される効果が出ていないといった問題がでています。
商品を提供する側は、正確な情報を提供する義務があり、購入する側も適切な選択する目をもたなければなりません。
特に無店舗販売(注1)においては、商品説明を受けたり、自分で商品を確認するなどが十分にできない場合があり、消費者を守るための法律も整備されつつあります。
特定商取引法(正式名称「特定商取引に関する法律」旧称:訪問販売等に関する法律)
特定商取引法は、訪問販売など消費者トラブルを生じやすい特定の取引を対象に、トラブル防止のルールを定め、事業者による不公正な勧誘行為等を取り締まることにより、消費者取引の公正を確保するための法律です。対象となる取引形態は次の6つです。
?訪問販売(一般的な訪問販売、キャッチセールス、アポイントメントセールス、SF商法など)
?通信販売
?電話勧誘販売
?連鎖販売取引(マルチ商法、ネットワークビジネスといったMLM(注2))
?特定継続的えきむ役務提供(エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の6役務が対象)
?業務提供誘引販売取引(内職・モニター商法)
商取引にあたっては、つぎのような規制があり、これに違反した場合は、改善指示、業務停止の行政処分または罰則の対象となります。
こういった商取引を悪質商法といいます。
?販売目的の明示義務(販売前に事業者名、販売目的を消費者に告げなければなりません)
?事実と異なることを告げる(不実告知)、故意の事実不告知(重要事項を故意に消費者に告げないなど)の禁止、虚偽・誇大広告の禁止
?契約時に重要事項を記載した書面を交付する
注1 無店舗販売とは、常設の店舗を持たずに商品やサービスを販売することです。通信販売、訪問販売、電話勧誘による販売などがあります。
注2 MLM(Multi-level marketing)
注3 主な悪質商法
●悪質商法
マルチ商法
商品を販売しながら会員を増やすことでリベートが得られるというもの
かたり商法
「消防署の方から来ました」などといって、それらしい制服を着た品物が消化器を売りつけるといった商法。、その他に水道局、保健所、役所などの公的機関の名前をかたって商品を売りつける
点検商法
無料で点検に来ましたと言って販売目的を隠して訪問し、「床下に白アリがいる」「耐震工事が必要」などと虚偽を言って、商品を売りつけたり、工事契約を締結されるもの。実際には、不要の商品・工事であったりする
霊感商法
姓名判断や霊が取り付いているなどといって不安をあおり、「この商品を買えば幸せになれる」と高額なつぼや印鑑などを売りつけるもの
送りつけ商法(ネガティブオプション)
注文もしていない商品を一方的に送りつけて代金を請求するもの。「購入されない場合は、○日以内に返送して下さい。期限内に返送されない場合は、購入頂いたものとします」といった文面が添えられているケースがおおくみられます。
催眠商法(SF商法)
「新商品の発表会」「近くにスーパーができ、事前にどのような商品を販売して欲しいかの事前調査」などと称して会場に人を集める。閉め切った会場で、無料で商品を配り、早く手を上げて欲しいと意思表示しないと損をする気分(催眠状態)にさせておいて、最終的には高額な商品を売りつける。「新製品普及会」という会社が初めたため、その頭文字をとって「SF」の名前がついた。
内職商法
好きな時間に自宅で仕事ができるということで、仕事に必要な高額なパソコンなどを購入させる。実際には、仕事は斡旋されない
キャッチセールス
街頭でアンケートに答えてくださいなどと言って声をかけ、喫茶店や営業所に連れ込む。そして、契約するまで帰さないというような雰囲気を作り上げ、化粧品や美顔器、エステや映画鑑賞の会員権などを強引に契約させる
アポイントメントセールス
「あなたが当選しました」「キャンペーン対象者に選ばれました」といって「賞品やモニター用の商品をあげるので至急連絡を」などと電話やはがきで勧誘し営業所に出向かせる。営業所に出向くと、巧みなセールストークで絵画や高額な契約をさせられる。絵画・アクセサリー・会員権・映画観賞券・パソコン・CD?ROMなど
2.消費者契約法
この消費者契約法は、消費者と事業者を比べると、情報の質や量、そして交渉力の格差が両者間にあります。そのことにより、消費者が誤認や困惑をした場合、契約の申込みまたはその承諾の意思表示を取り消すことができるというものです。さらに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項をはじめ、その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項を無効とすることができます。このように消費者の利益の擁護を図るのが目的の法律です。
ここでの消費者とは、個人のこと(事業として契約の当事者となる場合は除きます)で、事業者とは、法人・団体・事業としての契約の当事者となる場合を指します。この中には、一般企業のほか、宗教法人、農業協同組合、医療法人、国、地方自治体、NPO法人、労働組合なども含まれます。
平成19年(2007年)6月に、消費者団体訴訟制度を盛り込んだ改正法(消費者契約法の一部を改正する法律)が施行されました。
3.クーリングオフ
クーリングオフとは、頭を冷やして考え直すということです。一定期間内(注)であれば、無条件で申込みの撤回または契約を解除できるしくみのことです。ただし、次に掲げるものはクーリングオフによる解約ができません。
?3,000円未満の取引で商品を受け取り、同時に代金を全額支払った場合
?通信販売で購入した場合
?化粧品や合成洗剤などの消耗品を一部でも使った場合(但し、消費者がそのことを書面で知らされていない場合は問題ない)
?乗用車を購入する場合
注:
(販売形態) (クーリングオフができる期間)
訪問販売 クーリングオフの記載のある契約書を受領した日を含めて8日間
電話勧誘販売 クーリングオフの記載のある契約書を受領した日を含めて8日間
特定継続的役務提供 クーリングオフの記載のある契約書を受領した日を含めて8日間
連鎖販売取引 クーリングオフの記載のある契約書を受領した日(商品の再販売がある場合で最初の商品の引き渡しを受けた日が書面より後の場合はその日)を含めて20日間
業務提供誘引販売取引 クーリングオフの記載のある契約書を受領した日を含めて20日間
通信販売 法律上のクーリングオフはありません
4.製造物責任法(PL法)
Product LiabilityからPL法とも呼ばれています。製品の欠陥によって、生命、身体や財産に何らかの損害をこうむった場合、被害者から製造者に対して損害賠償責任を定めた法律のことです。
具体的には,同法の第三条に次のような規定があります。
「製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない」
ここでの製造物とは「製造又は加工された動産」と規定されています(第2条第1項)。そのため、無形のサービスや、不動産、未加工品(生鮮品など)は対象外となります。製造者には輸入業者も含まれます。
5.その他の課題
BtoB、BtoCインターネットを使った取引形態が一般化し、自宅から注文し、届けてもらえる、決済もクレジットカードあるいは銀行引き落としで済ますことができるなど消費者にとっては手軽に商品やサービスを手に入れることができるようになりました。
しかし、同時に多くの問題点も新たに発生しています。
?個人情報の流出
個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が2005年(平成17年)4月1日に施行されました。個人に関する情報やプライバシーの取り扱いに関する法律です。これによって個人情報を取り扱う事業者はその保護につとめなければなりません。にもかかわらず、いまだに個人情報の流出やデータの紛失などの発生は続いています。
?コンピューターウイルス
インターネットを経由してインターネットウイルスに汚染される危険性があります。このウイルスも時間とともに進化し新たな防御策が必要などいたちごっこの部分もあります。
?決済トラブル、商品トラブル
インターネット上での取引は相手が見えないために、代金を振り込んでも商品が届かない、あるいは、届いた商品の中身が違うなどのトラブルも頻繁に発生しています。
■暮らしと税金
1.税金の種類
税金を納め先に分類すると、国に納める「国税」と、地方公共団体に納める「地方税」とがあります。地方税は、さらに道府県に納める「道府県税」と、市町村に納める「市町村税」に分けられます。 (注)税金の使いみちや納める方法で分類すると次のようになります。
注:都は原則として道府県税を適用しますが、東京23区内においては税の科目の一部が都税、市町村税と分かれるために、厳密には都税と道府県税とは若干異なります。
2.使いみちによる分類
普通税 ……… 税金の使いみちが決められていない税金
目的税 ……… 税金の使いみちが決められている税金
3.納める方法による分類
直接税 ……… 税金を納める人と実際に負担する人が同じ税金
所得税・法人税・贈与税・相続税など
間接税 ……… 税金を負担する人と納める人が別の場合
消費税・タバコ税・酒税・石油税など
●個人に関わる税金は
所得税(*)
住民税(*)(道府県民税、市町村民税)
固定資産税、都市計画税
自動車税、軽自動車税
相続税、贈与税(*)
消費税、地方消費税、酒税、タバコ税
住宅取得税、自動車取得税、登録免許税
個人事業税(個人事業主)(*)
(*)は個人にのみかかる税金
●法人に関わる税金は
法人税(*)
法人住民税(道府県民税、市町村民税)(*)
法人事業税 (*)
消費税、地方消費税
固定資産税、登録免許税
事業所税、地価税
印紙税、登録免許税
源泉所得税(給与等支払分)
(*)は法人にのみかかる税金
4.確定申告
確定申告とは1月1日から12月31日までの所得とそれに対する所得税の金額を税務署に申告することをいいます。これによって所得税を納めるだけでなく、源泉徴収などで納めすぎた税金を返してもらう手続きでもあります。
一般の給与所得者は年末調整(注)を行うことで所得税の精算されるので不要ですが、次に該当する人は確定申告を行います。
?年収2,000万円を超える人
?二ヶ所以上から給与を受けている人
?不動産収入や配当収入、年金収入など20万円を超える場合
?医療控除などを受ける場合
など
注:年末調整
1年間の給与総額が確定する年末に、その年に納めるべき税額を計算し、今まで徴収した税額との過不足額を算出し精算する手続きのこと
(牟田実の食育講座 No.49)
2007.12.06 19:10:20
| きゃりあ塾
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