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「食育講座 シリーズ7 食を取り巻く環境2(全4回)」
平成19年版食育白書によると、食育に関心を持っている国民の割合が0.3% 昨年に比べて低下しています。また、朝食の欠食率も20代30代男性ではそれぞれ3.6%、4.0%アップしています。
これは「食育」というと、食教育のことと捉えられているためなかなか浸透しないのではないでしょうか。
食育とは、食を「育てる」あるいは「育む」ことです。食を育てるとは栄養素のことだけではありません。
どうも食育=食事バランスガイド、食育の指導員=栄養士という間違ったイメージがあるのではないでしょうか。
■食育基本法と食育
食を法律で規定すること自体に議論はありますが、平成17年6月10日に食育基本法が成立しました。
「食生活において、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向などの問題に加え、新たな『食』の安全確保の面からも、自ら『食』のあり方を学ぶことが求められている」(食育基本法前文から抜粋)とあるように、この食育基本法は、食に関するさまざまな問題に対して国民ひとりひとりの意識を高めていこうというものです。
この食育基本法の基本理念としてつぎのようなものがあります。
●国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成
●食に関する感謝の念と理解
●食育推進運動の展開
●子どもの食育における保護者、教育関係者の役割
●食に関する体験活動と食育推進活動の実践
●伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配慮および農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献
「食育」という言葉は、以前からありましたがあまり一般的ではありませんでした。国語辞典にも記載がありません。この食育基本法が成立してから多く登場するようになりました。
この「食育」という言葉については、村井弦斎(むらいげんさい)の「食道楽(しょくどうらく)」という本で使われています。むらい村井弦斎は、森鴎外や夏目漱石と同じ時期に活躍した明治時代のベストセラー作家です。明治36年(1903年)に発刊された「食道楽」は日本初のグルメ本といわれています。
この「食道楽」(秋の巻)第252に「食育論」が登場します。この中に、智(知)育、体育、徳育よりも先ず食育を研究すべきとの記載があります。
「食育」という言葉自体は、この初版本が出ることさかのぼり数年前に玄米食を推奨していた石塚左玄(いしづかさげん)という人が「食物養生法」という本の中で体育、智育、才育の基本として食育の重要性を述べています。
■食生活を見直す新しい動き
ファミリーレストランやファーストフードの店が展開されることで、外食が身近になり、これまで「ハレ」であったものが「ケ」になりつつあります。食事をより楽しむとか時間を節約するといったメリットもあります。また、チェーン展開することで、一定の品質レベルが確保されるので、期待通りの味やサービスの提供を受けることができるようになりました。
一方で、どの店も同じメニュー同じ価格、味の均一化とういうことは、その地域の旬や地域に根ざした伝統料理・郷土料理などの食文化の衰退につながります。
特にファーストフードは、栄養面の問題点もあります。また、味覚を磨くことができないという問題点や食事のスタイルそのものを変えてしまい、食卓を囲むといったライフスタイルも変わる可能性があります。
規格化され標準化されたファストフードに対して、その土地の気候風土や食文化に根ざした食や農業生産を見直そうという動きが1980年代にイタリアから起こりました。これを「スローフード」といいます。
現在では世界的な広がりを持ちつつあります。
「LOHAS」(ロハス、ローハス)という言葉もよく聞くようになりました。
これは、Lifestyles of Health and Sustainabilityの頭文字をとったもので、「人間の健康や環境の保護を最優先し、持続可能な社会のあり方を求めるライフスタイル」という考え方です。
大量生産・大量消費・大量廃棄というのではなく、環境や健康を考えた生き方をしていこうというものです。これは、食に限りませんが、ライフスタイルそのものを見直すということでは、食生活そのものです。
(牟田実の食育講座 No.47)
2007.11.30 08:58:21
| きゃりあ塾
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