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食生活の問題点
「食育講座 食生活とは?」 

 BSE問題、残留農薬、遺伝子組換え、食品表示の偽装、食品添加物など食の安全に関する様々な問題が指摘され、今世の中では一段と食の安全に対する関心が高まっています。
さらに、日本の食料自給率はカロリーベースで40%台と極めて低い水準を推移しており、安全問題とともに重要な課題となっています。
これらの問題は、すべてあることからきています。そのあることとは・・・

 食の様々な問題点は「消費者と生産者の距離が拡大している」というところからきています。

■食の様々な問題は「消費者と生産者の距離」から来ている

 この「消費者」を「食」、「生産者」を代表して「農」とし、「食と農の距離」という言い方もされています。
「食と農の距離」には三つの乖離(ギャップ)があります。

その三つとは、
?生産と消費の人が違う
?生産と消費の時間が違う
?生産と消費の場所が違う
というものです。

 消費者と生産者の間にある三つのギャップが広がる(距離が増す)ことで、消費者と生産者の互いの顔が見えにくくなっています。消費者からすると、私たちが口にしている食品はどのように生産されどういう経路で入手しているのかが不明である。生産者からすると、自分たちが生産したものが、いつどこでどのように消費されているのかが見えない。せっかく素材調達の段階から製造・販売まで安全管理を徹底しても、消費方法によっては、食中毒などの事故が発生するかもしれないリスクがある。このように双方相手の顔が見えないことで様々な問題が不安やリスクとなっています。

 前述したBSEをはじめとする食に関する様々な問題はそういった不安から出ているということができます。
 逆に、「食の場」と「生産の場」の距離がない状態(ギャップのない状態)、つまり自分で生産して自分で消費する(自給自足)ような場合には、こういった問題は発生しません。

■「食の場と生産の場の距離」を構成する三つの乖離(ギャップ)とはどういうものか

1.人
 消費者と生産者が違うということです。人が違うということで、そこには商品(注1)を売り買いするという商取引が生まれます。生産者は自分が生産した商品を少しでも高く売りたいという気持ちがあります。一方、消費者は、安全で、新鮮で、おいしいものを少しでも安く買いたいという気持ちがあり、消費者と生産者は相反関係にあります。そのため、生産コストを下げ、価格競争力をつけるために、生産拠点を海外に移すこともあるでしょう。また、円滑な流通を行うために、消費者と生産者の間に別の「人」(二次加工者・三次加工者・商社・卸・小売など)が介在し、消費者と生産者双方がいっそう見えにくくなることもあります。

2.時間
 消費する時間と生産する「時間」が違うということです。生産されたものをすぐに消費するのであれば問題ありませんが、消費されるまでに時間がかかるために、保管や保存という問題がでてきます。生鮮のままであれば、冷蔵や冷凍をします。また、「加工」も時間のギャップを埋める重要な手段となります。 その加工は、どういう原材料が使われているのか、どこでどのように加工されているのかということが明確にならないと、消費者と生産者の距離は一層開きます。

3.場所
 消費する場所と生産する場所が違うということです。場所が違うということは、そこには、輸送や保管、仕分けということが行われます。前項の「時間のギャップ」とも密接な関係があります。現在、私たちは世界中のあらゆるところから食品を輸入しています。食料自給率をみても、先進国の集まりであるOECDの中でもルクセンブルグを除く29か国中27位とアイスランド・オランダに次ぐ低さです。まさに食料輸入大国です。(注2) 輸送に伴うCO2の排出問題なども関連し、場所が違うということは環境問題にまで影響を与えています。

■地産地消と酸化防止剤には共通点がある

 現在全国各地で「地産地消」運動が盛んに行われています。
これは、その土地で作られたものをその土地で消費するということです。生産者と消費者のお互いの顔が見えることで、相互の信頼を築くことができる、食品の安全性を確認できるためより安全な供給消費体制を構築ができる、また各地の食文化を伝承していくことができるというものです。
 「地産地消」運動は「食の場」と「生産の場」の距離を限りなく短くしようという運動であり、言い換えると「消費と生産」のギャップを埋めるということです。
 一方、最近問題視されている酸化防止剤や品質保持剤といった食品添加物ですが、加工食品の生産者は、消費者の顔がみえないために、自分の生産物(弁当など)が、いつどのように消費されるのかがわかりません。そのため、食中毒などの事故が発生しないようにとこれら食品添加物が使用されています。 言い換えると、「食の場」と「生産の場」とのギャップによる事故防止のために使われています。つまり、地産地消と同じように、「消費と生産」のギャップを埋める手段のひとつということです。

 私たちが食生活を考えるとき、この「消費者」と「生産者」の距離をとらえることは、極めて重要なことです。そのためには、世の中の様々な仕組みも食育と通じて勉強する必要があります。

注1:商品とは、売るための品物で、販売を目的とする生産財およびそれに付随するサービスを指します。
注2:農林水産省2002年の試算

次回は「食生活は文化である」です。お楽しみに

(牟田実の食育講座No.8)


2007.06.18 19:29:28 | きゃりあ塾 | コメント (0) | トラックバック (0)

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