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北海道のミート工場が牛ミンチに牛肉と偽って故意に豚肉を使用したという事件がありました。相変わらずこういう事件が起きるのは非常に残念です。
こういう類の事件を引き起こす企業には次のような共通項目があると感じています。
一つは、トップが自社の商品に愛着や思い入れがないこと。商品を商品と思っていない、単に商品を金儲けの手段と考えていること。そして二つ目は、従業員を大切にしていないことです。
商品は、お客様がお金を出して買っていただくものです。その商品をわざわざ選んで、お金を出して買うということは大変なことです。ですから、生産者はだれもが、お客様の顔を思い浮かべながら商品を作っているはずです。
どうしたら手にとっていただけるか、どうしたらおいしいといっていただけるか、それは今回のように最終製品を生産する企業でなく、原料供給をする企業でも同じです。
偽装をするというのは、大きな問題ではないという認識だったかもしれませんが、アレルギーのある人にとっては、原材料名の表示こそが命を守る唯一の情報です。日本人には、あまりなじみがありませんが、宗教上の禁忌(食のタブー)なども大変な問題です。国によっては、暴動に発展する可能性もあります。それくらい表示は大切です。
自社の商品に思い入れがないからこういうことが起きるのだと思います。BR>
こういった一連の事件が発覚するのはほとんどが内部告発によるものです。従業員を大切にしていない証拠です。誤解しないでいただきたいのは、従業員を大切にしていれば、こういう犯罪行為があっても、内部告発されないという意味ではありません。従業員を日頃から大切にしていれば、こういう犯罪行為は起きにくいということです。従業員の意見やアイデアに普段から耳を傾けることで、企業として問題意識を持つことができます。
スーパーマーケットや外食産業などでは、地元の人をパートスタッフとして雇用する場合が多くあります。このパートスタッフは同時に大切な地元のお客様でもあります。しかも、宣伝力をもったお客様です。自分の勤務している店では買いたくない、食べたくないと感じると、それはあっという間に地元に広がります。お客様はお店の表しか見ていないと思うのは大間違いで、裏もみているのです。今回の北海道のミート工場で勤務している人たちも、勤務しながらこの工場から出荷されている原料を使った製品は買いたくないと感じていたと思います。
たぶん、この会社のトップはいまだに世間が騒ぐほど大きな問題とは気がついていないのではないでしょうか?
気がついたら、取引先がすべて契約を解除し、原料の供給元が納品をストップし、会社は立ち行かなくなっているということになるかもしれません。そして、従業員も解雇せざるをえなくなる。
今回のこの会社は北海道の苫小牧にあり、苫小牧も都市としての元気さがなくなりつつある地方都市です。解雇された従業員やパートさんは、ここでの仕事がなくなると、なかなかつぎが見つかりにくいという状況が予想されます。企業は、そういった雇用を産み出す社会的責任もあります。商品を軽く考えていた代償はあまりに大きいのです。
2007.06.21 17:37:19
| 食彩人
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