「村上春樹さん新刊9割買い取り、紀伊国屋ネット書店に対抗」
これは、2015年8月23日朝日新聞朝刊に出ていた記事のリードです。
紀伊國屋書店では、村上春樹氏の「職業としての小説家」の初版10万部のうち9万部を買い取ると発表しました。
要は買い占めて他では売らせないようにするということですね。特にネット通販を意識して。
これって正直違和感あります。
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紀伊國屋書店が買い占めてしまうと、ネット通販だけでなく一般の書店も販売できなくなる。
記事によると、紀伊國屋書店が取次店などを通じて他の書店にも卸すとあります。しかし、ここには当然紀伊國屋書店の意向が働くと思うのが自然ですよね。
「ここには売らないでください」というような。
これって市場の自由競争を阻害していませんか?
そもそも、書籍や新聞、CDなどは再販価格制度というのがあり、独禁法の例外事項になっています。法律で市場の自由競争から守られているということです。
「再販価格」というのは、製造者が価格を決め市場でもその価格でしか販売できないというもの。 いわゆる「定価」というものです。
最近「定価」と表示されているもの見ないですよね。
本や雑誌、新聞、CDなどの他の商品は「定価」ではなく「希望小売価格」であって、店舗などで必ずその金額で売らなければいけないというものではありません。
ネット通販の応援をしているわけではありませんが、買占めはどうも納得できないなあ。