サイコロジックバックナンバーNo.1~9
食彩人通信でご紹介している「サイコロジック」のバックナンバーです。No.1~No.9まで。
( )内は食彩人通信の号数です。
1.鼻毛理論(No.276)
2.メラビアンの法則(No.284)
3.ハインリッヒの法則(No.277)
4.互恵性の法則(No.278)
5.ホイラーの公式(No.279)
6.セルフサービングバイアス(No.280)
7.ボッサードの法則(No.281)
8.ランチョンテクニック(No.282)
9.暗黙の強化(No.283)
No.1 鼻毛理論
●「鼻毛理論」・・・一度刷りこまれた印象はずっと消えない
初めてあった人と名刺交換をしました。
その人は、両方の鼻の穴から鼻毛が伸びていてすごく気になりました。
次回以降その人と会うたびに、今日は鼻毛が伸びていないかなと気になります。
たとえ、その人が鼻毛をしっかり切ってきたとしても、最初にあった時の鼻毛のイメージはなかなか消えません。
初回で「鼻毛が伸びている」と頭に刷りこまれると、それはなかなか抜けません。
心理学用語では「初頭効果」と言います。
つまり、第一印象というのがその後の評価にすごく影響を与えるということがわかります。
第一印象でマイナスのイメージができると、それを挽回するには、時間と労力がかかります。
第一印象を良くするとは、オシャレをするとか高価なものを身につけるということではありません。
最も大事なのは「清潔感」(清潔と清潔感は違います。これは、私がこれまで多くの人に会ってきて感じたものです。
ある人にこまめにメールや手紙を送るとします。
それが、「ストーカー行為」と思わせるか、「マメな人だ」と評価されるかの違いは、
実は第一印象が良いか悪いかにかかっています。それほど、初頭効果の影響力は強いのです。
これを、「鼻毛理論」と呼んでいます。
注:鼻毛理論とは、筆者が勝手に名付けたもので、検索してもでてきません。念のため。
No.2 メラビアンの法則
●「メラビアンの法則」・・・第一印象は外見で決まる
別名55:38:7の法則とも言われます。 合計すると100です。
第一印象をつくるのは、55%は外見、38%は話し方や声のトーンなど。そして7%が内容です。
どんなに話や提案の内容が良くても、不潔な感じがして何を言っているのかよくわからないような人からモノは買いたいとは思いませんよね。
その商品が食品ならなおさらです。頭はボサボサ、肩にはフケだらけ、ワイシャツがズボンから出ていて、靴はボロボロ
そのような営業マンから、価格も安くおいしいと言われるデザートの提案を受けた時、ちょっと引いてしまいますよね。
人は外見でなく中身とよく言われますが、やはり外見は大切です。
第一印象は何と言っても外見で決まります。
この人はいつも連絡をくれて「マメな人、フットワークの良い人」と感じるか、
この人はいつも連絡をくれて「ストーカーじゃない」と感じるかは
実はこの第一印象で決まります。
55:38:7 気をつけて下さい。
No.3 ハインリッヒの法則
●「ハインリッヒの法則」・・・1件の重大な事故のうらには、29件の軽微な事故と300件の「ヒヤりハット」がある。
「ヒヤりハット」とは、事故にまではいかなかったけれど「ヒヤり」としたり「ハッと」したりすること
日本語です。ハインリッヒの法則は別名この「ヒヤりハットの法則」とも言われています。
ハインリッヒは20世紀初頭の米国の損害保険会社の会社員で、5,000件にも及ぶ労働災害について調べた結果
このような法則を発見したとのこと。
「1:29:300」は多くの場面にあてはまります。
今回の原発事故をみても、これまで29の何らかのトラブルがあり、300のヒヤりハットがあったと考えられます。
1つの大成功の裏には、29の小さな成功があり、そのための行動が300あったとも言えます。
逆にいうと、ひとつの成功をおさめるためには、300の努力が必要とも言い換えられます。
No.4 互恵性の法則
●「嫌悪の互恵性」・・・この人苦手と思うと、相手もこちらを苦手と感じる
米国の心理学者アロンソンとリンダーが提唱した法則です。
嫌悪の互恵性と同じく、その逆の「好意の互恵性」というのもあります。人は誰かに好かれると、その人を好きになる傾向にあるというもの
営業などで、「この客は当社の製品に興味を持ってくれるかな」と不安な気持ちで商談すると、それが相手に伝わってしまい、結局話がうまくまとまらない。
相手は、「自分の鏡」と良く言われますが、まさに互恵性です。
この会社は好き、このお客様は好きと感じると相手もそう感じてくれるというものです。
この互恵性にはフィードバック効果があります。すなわち、好きであればますます好きになり、
苦手だと思うと、ますます苦手の気持が強まるというものです。
言い方を変えると、気持は伝染するということですね。
No.5 ホイラーの公式
●「ホイラーの公式」・・・ステーキを売るな、シズルを売れ
シズルとは、ステーキがジュージューと焼けている音のことです。
うなぎ屋さんの前を通ると、うなぎの煙の匂いにつられて食べたくなります。
梅干しがあると、それを食べるのを想像しただけで唾液が出てきます。
つまり、ステーキを売りたいのであれば、ステーキそのものを売るのではなく、
食べた時の体験や感覚に訴えろというものです。
米国の経営コンサルタント エルマー・ホイラーがセールスの極意を5つの公式で
まとめたその第1の公式が「ステーキを売るな、シズルを売れ」です。
住宅展示場で、展示を見に来たご夫婦の奥様に、地震に強い、断熱効果があると
説明するよりも、キッチンに立たせて「奥様お似合いですよ」の一言が
買いたい気持を刺激するわけです。
第2から第4の公式も知りたい・・・
それは・・また後日
No.6 セルフサービングバイアス
●「セルフサービングバイアス」・・・地球は自分中心に回っている
セルフ(自己)、サービング(奉仕) バイアス(偏見、偏り)日本語にするとこんな感じでしょうか?
今あなたの周りで大災害が起きたとします。数名の方が生き残り、数名の方が、残念ながら亡くなられました。
そんな状況をイメージしてください。
あなたは、生き残り側にいますか?それとも亡くなった側にいますか?
多くの方は、生き残り側に自分を置いている姿を想像されているのではないでしょうか?
人間は、自分に都合のいいように理解することがあるということです。
これは、決して悪いことではありません。時にそう考えることでスランプから脱出できたり
落ち込みから回復できることもあります。
「それは、単なる自己中、自分勝手じゃないの」と言われるかもしれませんが・・・
No.7 ボッサードの法則
●「ボッサードの法則」・・・遠距離恋愛は成就しないケースが多い
ボッサードの法則とは、心理的距離は物理的距離に比例するというものです。
アメリカの心理学者ボッサードが婚約中のカップル5,000組を調査したところ
住んでいる距離が遠いカップルは結婚まで至る確率が少ないというものでした。
頻繁に連絡を取り合える状況が大切なようです。
現在は、通信手段が発達し、携帯電話もメールもあるので距離は関係ないように思えます。
しかし、やはり五感で相手を感じることが大事なようです。
さらに、「頻繁に会えば会うほど好意が生まれる」という実験結果もあります。(ザイオンスの熟知性の原理)
No.8 ランチョンテクニック
●「ランチョンテクニック」・・・人は食べ物に弱い
最近はどこも経費節減で、接待費、交際費がなかなか出にくくなっています。
接待と聞くと、会社の金でお客さんと飲み食いしている。
もし、そんな印象を持っていたらそれは違います。(まあ中には、タダで飲み食いを楽しんでいるだけの人も残念ながらいるかもしれませんが)
心理学者のグレゴリー・ラズランの研究によると、人はおいしいものを食べながら、
話をすると相手を受け入れやすくなるという傾向があると言っています。
交渉事でも会議室でなく、料亭などで食事をしながらすると「OK」となる確率が高いというものです。
食事をすることで心地良い気持になり、食事中に聞いた話は「楽しいこと」と
つながるのだそうです。別名「連合の原理」ともいいます。
実は食事の接待は、やり方次第で非常に有効な営業の手段になるのです。
No.9 暗黙の強化
●「暗黙の強化」・・・知らないうちに人を傷つけているかもしれません
お母さんが、お兄ちゃんは早起きで、成績も良いとほめたとします。
それを、聞いていた弟は、自分はお兄ちゃんと違って、寝坊ばかりして、成績も良くないと感じてしまう。お母さんは単純にお兄ちゃんをほめたつもりなのに
結果として無言のうちに弟を責めてしまっているといったものが「暗黙の強化」です。
会社の中でも、課長が、「A君はうちの課の中でがんばってるなあ」とA君をほめたつもりでも、
他の課員は「どうせ俺たちはがんばってないよ・・・」と感じてしまうというものです。
どうぞお気を付けを