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「9割の学生が朝食をとることは大切と感じています。でも・・・」
朝食を食べないということが指摘されています。実際にはどうなのでしょうか?2006年10月8日に文部科学省が発表した2005年度の体力・運動能力調査のうち、朝食の摂取状況別体格測定・テストの結果をみると、小中学生では、朝食を「毎日食べる」という回答のほうが、「ときどき食べない」「毎日食べない」の合計よりも多くなっています。
2005年に施行された「食育基本法」では、平成18年度から22年度までの5年間の数値目標を掲げています。
その一つに、朝食を欠食する国民の割合を、子ども4%→0%、20代男性30%→15%、30代男性23%→15%にするというのがあります。
今回の調査では、「毎日食べる」と答えた学生は40.51%。朝食を食べる日が一週間のうち、5?6日が18.47%、3?4日が15.10%、1?2日が14.85%、そして「朝食は食べない」というのが10.97%でした。
調査では、一般的にいわれるほど欠食が多いとはいいきれませんでした。
朝食に対する意識について学生に聞いています。
「朝食を摂ることは大切だと考えるか」という質問に対して、「とても大切」あるいは「大切」と答えた学生が、88.78%。
一方、「あまり大切でない」「大切でない」と答えた学生は、3.73%でした。 約9割の学生が朝食を大切であると答えています。
しかし、この場合、二つの点に注意しておかなければなりません。
一つ目は、この「朝食は大切か」といった質問は、「電車内でお年寄りに席を譲るべきか」という質問と共通しています。その回答は大部分が「YES」であり、これは実際にどうかというよりも、倫理規範的に回答されている可能性があります。頭ではそう思っていても、行動がそれに伴っていないケースも多いのです。
二つ目は、朝食の定義が個人によってバラバラです。一汁三菜であれば立派な朝食ですが、ジュースや牛乳をコップ一杯だけ、バナナ一本、ヨーグルトだけ、ウィダーインゼリーやカロリーメートでも朝食と考えているケースも見受けられました。 果たして、これが朝食といえるかどうか。何も食べないよりは少しでも食べた方がいいのですが、この辺もむずかしいところです。
子どもや若者の朝食欠食問題をよく指摘されます。 この欠食問題も何が本当に問題なのかを考えると実はよく見えないのです。
朝食の主食は何かという質問に、「ごはん」が54.74%、「パン」が33.93%で、学生たちは「ごはん」党が多いことがわかりました。
蛇足ですが、ごはん党が多くても米の消費量は大きく減っています。平成18年の1月から6月までの6ヶ月間の一人当たりの米の消費量は29.39kg(農水省データから)です。このペースで計算すると年間58.8kgの消費量となります。昭和40年の消費量は111.7kgですから、半分近くまで落ち込んでいるといえます。
10.97%いる「朝食を食べない人」は、なぜ食べないのでしょうか?
「時間がない」26.83%、「朝起きられない」14.94%、「食欲がない」10.71%と続きます。ただし、回答の順位はあまり重要ではありません。なぜなら、朝は、早く起きるけれども、化粧や着替えに時間がかかり時間がない、朝起きられないからギリギリまで寝ていて時間がないということも考えられます。
言えることは、いずれも生活習慣(ライフスタイル)によるものであるということです。
つまり、朝食はライフスタイルの中での優先順位は低いということです。朝食をおいしくいただくために、朝早く起きて散歩をして朝食を摂るという人もいます。この人にとっては、朝食のライフスタイルに占める優先順位は高いといえます。
時間があれば朝食を食べるというのは、食に対する優先順位が高くないということで、「朝食は大切か」という質問に対して「YES」の答えが、倫理規範的になっているという根拠です。
(文中にあるパーセンテージの対象サンプル総数は1,960です)
つづく
2006.10.09 22:09:14
| 食彩人
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