2009年5月30日の朝日新聞朝刊 「オピニオン異議あり」というコーナーに面白い記事を見つけました。管理栄養士の河合知子さんへのインタービュー記事です。
管理栄養士の中にもこういう考えの人がいるのを知って少し安心しました。
河合さんのご意見を要約すると次のようなものです。
「食」は衣食住の中でも一番他人の目に触れにくい、個人や家族単位でする行為。それについて国民運動と称してお上が旗を振ることに危うさを感じる。 また、食育の中でBSEなど食の安全を守るために食育が必要という意見も見当違い。
食の安全は国の責任であって、食育の運動としてやるべきものではない。
食育基本法の前文に「人々は食生活の改善の面からも『食』の安全の確保からも、自ら『食』のあり方を学ぶことが求められている。・・・これはまるで『勉強しないと被害に逢いますよ』と消費者に責任転嫁しているようにも読めてしまう。
朝日新聞の記者が「食育そのものは悪いことではないですよね?」という質問に対し、「だから異論を唱えにくい。10年前までほとんど知られていなかった言葉なのに、シェフの料理教室にも田植え体験にもも、野菜の直売にも『食育』食品産業や外食産業は自社の宣伝に利用している。食育といえば予算がつく。そして科学的根拠のない言説も幅をきかせている。」
まさにそのとおりだと思いました。このブログでも何度も書きましたが、「朝ごはんを食べる子は成績がよい」科学的根拠があいまいなまま国民運動となっています。
先日、食育活動をしているいくつかの団体の方とお話をしました。「食育」活動がネタ切れで何かないかとのこと。これまで、食育活動として、料理教室、農業体験などを開催していたそうですが、「食育」にネタ切れはないでしょうと思いました。
結局「食育」が何を目指しているのかがよくわからないのでこういう話になったのだと思います。
食育と名のついた資格検定もたくさんあります。
内容をみると栄養士さんと何が違うのと感じます。
まさに、国や企業に踊らされているのかもしれません。