韓国が4月18日に輸入条件を緩和し、いよいよ今度は日本がアメリカからの条件緩和圧力を受ける番というタイミングで、またまたBSEの特定危険部位の混入が見つかりました。
以前、同じように危険部位混入が見つかった時は、全面輸入停止でしたが、今回は出荷業者の製品のみの停止処分。
アメリカにかなり気を遣った処置という気がします。
BSE(牛海綿状脳症)の原因物質プリオンが蓄積しやすい部位である特定危険部位(脳、せき髄、眼球、脊柱、回腸遠位部)は輸入が認められていません。今回、この部位が含まれた牛肉が吉野家の工場で見つかりました。
今回は、全面輸入停止でなく、この肉を出荷したナショナルビーフ社のもののみ出荷停止処置としました。
この理由は、単純に「出荷ミス」によるものだそうです。
そもそも日本とアメリカとは牛肉の安全性に関する考え方が根本的に違います。米国内では骨付きも出荷されています。ですから日本の要求は彼らにすれば、不当に厳しいということになります。
日本側からすればとんでもないということなのですが、今回はなぜかすんなりと「出荷ミス」ということにして終わっています。
これまで、全量検査であったものが、抜き取り検査となり、現場での確認でカバーできるということで、今回吉野家で発見されたのは、この効果があったという説明です。
しかし、今回のケースを受けて、抜き取りによる検査の量を増やすことで対応したいとのことです。
抜き取り検査の量を増やせば、問題のある肉の発見確立は高まるかもしれませんが、リスクの比率は変わりません。つまり、100のサンプルのうち1ケ問題があるとします。
これまで1ケ抜き取って検査していたものを3ケ抜き取れば、問題あるものを発見する確率は三倍になります。しかし、100ケのうち1ケ問題があるというリスクはサンプルの量を増やしても変わりません。
確か福田首相は「食の安全安心」を政策の柱にしていたはずですが。 しっかりと安全確保のための交渉をお願いしたいものです。