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5月15日に食品安全委員会主催の「食品に関するリスクコミュニケーション」に出席してきました。
今回のテーマは「米国における農薬の安全性評価の取組について」でした。レジメはこちら
日本では、年間27万トンの農薬が使用され、それは、年間3,500億円の規模となっています。
国産農産物における平均の農薬の残留率は0.44%。
一年に口に入る一人当たりの農薬の量は0.3gといわれています。
ということは、33年間で約10gを摂取することになります。
(いずれも食品安全委員会データ)
これって大丈夫なのですか?
農薬は、摂取したものがそのまま体内に蓄積されるのではなく、時間の経過とともになくなっていく物質だけが農薬として使用されているとのことです。10gをまとめて摂っているわけではなく、健康上では問題ないとされています。
日本では、農薬のリスク評価(食品を摂取することにより人の健康に及ぼす影響について科学的に評価すること)としてADIを設定しています。
このADIとは(Acceptable Daily Intake)のことで、一日摂取許容量のことです。日本における農薬などの使用はこのADIにもとづいています。
このADIとは、ある物質について、人が生涯にわたって毎日摂取し続けたとしても、健康上の問題が生じない体重1kgあたりの物質(農薬等)量のことです。
食品安全委員会のリーフレット「科学の目で守る食品の安全」によると、ADI(一日摂取許容量)の設定の仕方についてつぎのような説明があります。
「評価の対象となる物質に関するさまざまな動物試験の成績を評価し、各々の試験について毒性の影響が認められなかった量を求めます。各試験ごとに求めた毒性が認められなかった量のうち、最も小さい量をその物質の無毒性量とします。人と動物の違い(種差)や人の個体差(年齢など)を勘案し、通常は無毒性量の1/100の値を一日摂取許容量として設定しています」
つまり、動物実験などで無毒性と認められた量からさらに100分の1(これを安全係数といいます)をADIとしています。
食の安全に「絶対」ということはありえません。かならず何らかのリスクはあります。残留農薬の危険性についても、どんなに規定を作っても「絶対に安全」ということはありません。しかし、このADI値以下であれば、そのリスクは小さいということは事実だと思います。
一般的に国産の農産物は安全で、海外からの農産物は残留農薬の危険性があるといわれています。しかし、現場の声を聞くとむしろ逆で、海外からの農産物については、一定の基準値で検査の上輸入されているものの、国産の農産物は検査していないケースが多い。
店頭で、検査をすると地元の野菜とか朝取りの野菜といったものがもっとも農薬の検出率が高いという話を聞きました。
今年の1月に鹿沼市のJAかみつでいちご「とちおとめ」に基準値の9倍の残留農薬が検出されたという事件がありました。1日10個以下であればADIを超えないとJAかみつでは説明していましたが、10個以上食べる人も多いと思います。
昨年5月にポジティブリスト制度がスタートしました。(ポジティブリスト制度についてはこちら)
日本の農家は零細農家が多く、ポジティブリスト制度の理解とともに、生産の現場でどこまで農薬の使用基準が遵守されているのかということが最大の問題です。
ところで、今回参加した「食品に関するリスクコミュニケーション」ですが、内容がむずかしくよく理解できませんでした。食品安全委員会によると、このリスクコミュニケーションとは消費者も含めた情報の共有化とのことでしたが、内容が難しすぎて情報共有というよりも学会における研究発表のようでした。 それとも私の理解力が悪いのでしょうか・・・?
2007.05.21 22:09:27
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