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農林水産省が海外の日本料理店に対する「優良店支援制度」を2007年度からスタートさせます。この目的は「正しい食文化の普及のため」とのことですが、なんとこのために2億7600万円も国費(税金)を使うとのこと。
そもそも正しい食文化とはいったい何を指しているのでしょうか?
何をどのように普及するのでしょうか?
なにか納得できないなぁ?
アメリカの田舎町で入ったお寿司屋さんでは、マレーシア人の「すし職人」が寿司を握っていました。形は寿司なのですが、ちょっと何か変。
台湾の台北の寿司屋さんでは、職人さんは地元の人。にぎりはどちらかというと「おにぎり」に近く、3貫ほど食べるとおなかが膨れるというようなものでした。
確かにこういうのを食べると、これが寿司だと地元の人に感じて欲しくないという気持ちはあります。
農林水産省では、もともとは「海外日本食レストラン認証事業」ということを計画していました。しかし、「認証」というのは、ふさわしくない(?)店を認証しないつまり排除するということで、政府としてやることではないのではという批判を受けて、「海外日本食優良店調査・支援活動」に切り替えて復活折衝により予算化されたものです。
しかし、食文化とはいったいなんでしょうか?正しい日本食というのはどういうものでしょう。そもそも食文化とは、自分たちの住んでいる気候や風土、宗教や慣習、地理的な条件や経済事情そしてそこで収穫される食材など、さまざまな要素で培われてきたものです。これは、ルーツは海外から入ってきたものでも、そこに独自の文化を加えることで食文化となってきました。
日本でも「栄養改善」という名の歴史的食文化の否定(食とからだのエコロジー 島田彰夫著 農文協)
をしてきました。日本の食文化を否定して、ご飯をたべると頭が悪くなる。粉食と油と乳製品の推奨をしてきました。それは、いまでも続いています。学校給食には牛乳が出されます。ただ単に『良質なたんぱく質』『豊富なカルシウム』という栄養的理由だけで。肉じゃがに牛乳は違うでしょう。
正しい食文化の普及の前に、日本の食文化や学校給食を何とかして欲しいものです。
ラーメンやカレーライス、スパゲッティ、焼肉などは、日本人の定番料理です。これらはもう日本食といえるでしょう。
インドの人がみたら私たちが普段食べているカレーはどう見えるでしょうか?イタリア人から見たら『ナポリタンスパゲティ』(横浜のホテルニューランドが発祥の地といわれています)はどう見えるでしょうか。
彼らが何と言おうとカレーライスはカレーライス、ナポリタンはナポリタンです。同じことが言えるのではないでしょうか?
食文化は守って普及するものなのか、あるいは創造していくものなのか。どちらもあると考えます。
ですから、文化を守ることも大切ですが、新しい食文化もまた食文化なのです。
「優良店を支援する」のは一向に構いませんが、国として税金を使ってやることではありません。
もし、国が予算をつけてやるのであれば、国立日本食料理学校のようなものをつくって、海外から研修生を募集するとか、逆にこちらから職人を外国に派遣して、技術を伝えるべきだと思いますがいかがでしょうか。
食育もそうですが何をどうしたいのかがよく見えない。そしてとりあえず予算(税金)はしっかり確保しておく。
何か日本政府は了見が狭いなと感じます。
そしてやはり税金を使うのは納得できないのですが。
2007.01.29 23:53:26
| 食彩人
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