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2007年10月5日(金)第二回中食ビジネシンポジウム(主催:中食ビジネス創造研究会 企画:食と生活ラボ・明治大学商学部小川ゼミ、協力:月刊食品商業)が明治大学駿河台キャンパス紫紺館で開催されました。
テーマは:シニアの食を考える
食品メーカー、商社、問屋、食品素材メーカー、小売、学校、研究機関、外食産業、公益団体、官公庁、一般消費者など幅広い方面から多くの方が参加されました。
中食ビジネスシンポジウムは、中食講座と中食セッションの二部構成となっています。
全体テーマ:シニア食を考える
<中食講座>
テーマ:アクティブシニア、サポートシニア向け中食ビジネスのこれから
講師:高柳和江先生(日本医科大学医学部医療管理学教室准教授)
(要旨)
シニアの食というと、きざみ食や液状の食事といったネガティブなイメージがある。
食事は本来おいしく楽しく食べることが重要。
笑うことやおいしくいただくことは自然治癒力、免疫力を高めるという研究データが発表されている。
きざみ食や流動食はおいしくいただけない。つまり栄養素は摂れても自然治癒力は高まらない。
おいしく食べる工夫が必要である。
●シニア向けの食を開発するにあたってのヒント
1.普通の硬さ(だ液を多く出させる)
2.一口ずつ口に入る大きさ(噛み切る力が低下しているので、大きいと噛み切れない)
3.ゼラチンなどでトロッとさせる(のど越しが良い)
4、温かいもの(冷たいと咽頭が収縮しやすい)
●シニアマーケットを考えるにあたってのヒント
1.個食(単身世帯、二人世帯が多くなる)
2.洗物が増えないこと(食事の後の洗い物はシニアにとって大変)
3.廃棄ゴミが少ないこと(包装材、生ゴミなどごみ出し作業もシニアには負担)
4.メガネなしで読めること(字が小さくて読めないと取扱い説明などわからず事故にもつながる)
5.手を汚さないで食べることができる(食べやすいもの)
6.美しさへのこだわり(見て食べてみたいと感じられるもの)
(第二回中食シンポジウム風景1)
<中食セッション>
テーマ:癒しの中食環境を作る
講師:小川智由先生(明治大学商学部教授)・高柳和江先生(前述)
進行役:牟田実(食と生活ラボ)
(要旨)
○癒しとは、自己免疫力や自己治癒力をあげることである。食べることでそれらをあげることが出来る環境作りが重要(高柳)
○中食は、作らない、手を抜くなどのイメージがあるが決してネガティブなことではない。盛り付けの工夫をする、惣菜をベースに自分なりに手を加えるなどむしろポジティブの要素も強い(小川)
○盛り付けの工夫をするだけでも脳の活性化につながる(高柳)
○シニアをエルダーと呼び、4つに分類したマーケティングができるのではないか。その4つとは、
1.エンジョイライフグループ
2.チャレンジグループ
3.オールドファッショングループ
4.コミュニティーグループ
これまでの高齢者とは違ういわば「高齢新人類」とも呼ばれるシニアと予想される(小川)
○シニアとはこういうものという思い込みや誤解も多い。EBM(evidence based medicine:根拠に基づく医療)の考え方が必要(高柳)
(第二回中食シンポジウム風景2)
(文責 牟田実)
<参加者の声?アンケートから(一部紹介)>
★高齢者への食事の提供の仕方について、食材以外にもいろいろなアプローチがあることに気づいた(団体)
★商品開発をする上での新しい切り口を見つけました(卸・企画開発)
★便利=頭を使わないということではないことに気づいた(外食コンサル)
★これまでの中食というイメージが変わった(食品メーカー 開発)
★高齢者の方々がどのようなものを好むのかというアプローチが勉強になった(食品メーカー 営業)
★中食とアニメーションが結びつく発想が私にはなかったので驚きです(小売)
★真のアウトカムと代用のアウトカムを促せる商品企画をしていこうと思います(教育・企画開発)
★EBMの考え方は大切と感じました。情報にながされるのではなく、根拠のあるデータを検証する重要性を再認識しました(フードサービス 営業)(団体)
★シニアを年代ではなく、気持ちと言う切り口で見る視点に関心を持った(広告代理店)
★だえきにも免疫力があるということを始めて知った(小売)
★エルダーマーケットのクラスター分析は参考になった(メーカー 調査研究)
2007.10.06 11:04:24
| 食ビジネス・プロジェクト
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