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食品表示を読む
「食育講座 シリーズ4 食品とは3(全9回)」

 現代は、生産の場と消費の場との距離がますます開く傾向にあります。また、食品の多様化や消費者の食品に対する品質や安全性、さらに健康に対する関心が高まり、自分たちが口にしている食品がどういうものなのか知りたいという声も高まっています。これらの背景から、食品の表示の正確性と内容の充実が求められています。

■食品表示とは

 食品表示には大きく二つの側面があります。
 一つは、商品名や商品のセールスポイントなどといった、作り手から消費者へのメッセージです。これは、加工食品であれ生鮮食品であれ同じです。そこには、その商品を生産した人(企業)、開発した人(企業)、それらに関わった人(企業)の思いを表したものです。商品名ひとつにしても、多くの知恵を出し合い決められたものです。多くの人にこの商品の良さを知っていただき、手にとってもらうためのラブコールです。
 もう一つは、その商品を安全に食べていただくためのものです。また、消費者が商品を選択するための様々な情報が記載されています。これらは、法律で記載事項が定められています。
この法律も一つではありません。いくつかの法律で細かく規定が定められています。
消費者は生産現場を見ていませんので、この食品表示は非常に重要な役割を持ちます。提供する側は正しい食品表示を行わなければなりません。また、消費者も食品表示をしっかり読む力をつけることで、適切な商品選択ができるだけでなく、安全な食を確保することができます。
食品表示偽装や虚偽の表示といったことは、生産者と消費者の根本的な信頼感を失うことにつながります。

■わかりにくい食品表示

 食品表示はこのように、私たちが商品を選択する、あるいは商品を消費者に正しく食べていただくためには非常に大切なものです。しかし、食品表示はとてもわかりにくくなっていると感じます。
 たとえば、青果物、鮮魚、精肉といった生鮮食品もそれぞれの特性が違うために表示内容が違います。また加工食品は、多くの情報を伝えたくても、限られたパッケージスペースでは、表示できる内容も限られてきます。そのため、パッケージの所狭しとあらゆるメッセージが商品に記載されています。
 その食品表示ですが、何をどのように読んだら良いか、非常にわかりにくいのが現実です。このわかりにくさの原因の一つは、食品表示に関する法律の種類の多さがあげられます。

 また、生産者や販売者側も商品を何とか売る目的で、表示を誤認させるような表現もみられこれもわかりにくさの原因でもあります。

 複雑でわかりにくいとの指摘を受けて、平成14年12月に農林水産省のJAS調査会と厚生労働省の薬事・食品衛生審議会とが「食品の表示に関する共同会議」を設置し、JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)および食品衛生法に基づく表示項目や表示方法などについての検討を行っています。
 このブログでは、食品表示にあたっては、JAS法を中心に勉強していきます。この理由は、JAS法の表示対象食品が一般消費者向けに販売されるすべての生鮮食品、加工食品および玄米・精米と範囲が広いこと。そして目的が、消費者の商品選択に役立てるためとなっているからです。
特にJAS法は、社会情勢に合わせた形で制度の改正・見直しが行われています。

<これまでの改正と改正の内容>

◆平成11年7月の改正
 食品表示の充実・強化、有機食品の検査認証・表示制度の創設、JAS規格制度の見直し

◆平成14年6月の改正
○品質表示基準違反者に対する公表の迅速化農林水産大臣が指示をした場合には原則公表
○罰則の強化JAS法第19条の14の規定に基づき、表示に関する指示に従わなければなりません。命令違反をした場合、個人については、100万円以下の罰金または1年以下の懲役法人については、1億円以下の罰金に処せられます。 (注1)

◆平成18年3月の改正
○流通JAS規格の制定が可能に流通の方法についての基準を内容とするJAS企画の制定が可能となりましたが、具体策はこれからです。
○登録認定機関は民間の第三者機関に移行JASマークを貼付することができる製造業者等を認定するしくみ改正前:農林水産大臣またはその代行機関改正後:民間の第三者機関
○登録格付機関による格付を廃止改正前:登録格付機関、都道府県および毒リグ行政法人農林水産消費技術センターによる格付け改正後:登録認定機関から認定を受けた製造業者等がJASマークを貼付するしくみに一本化
○JASマークを貼付できる者の範囲を拡大
改正前:?製造業者 ?生産工程管理者  ?小分け業者  ?(指定農林物資の)
輸入業者改正後:上記に加え、?販売業者  ?(国内の)輸入業者  ?(外国の)輸出業者

注1:第19条の14とは表示に関する指示についての規定です。
当該する販売者などが、定められた表示の遵守事項を遵守していない場合、農林水産大臣は遵守すべき旨を指示することになります。その指示に従わない場合は、農林水産大臣が指示に従うべきことを命令します。その命令に違反した場合に罰則規定が適用されます。

■表示の対象

1.生鮮食品の表示
 農産物、畜産物、水産物および包装された玄米・精米など一般消費者に販売されているすべて生鮮食品に、「名称」と「原産地」を表示します。
水産物については「名称」と「原産地」のほかに、水産物品質表示基準に基づいて、
?冷凍したものを解凍した場合は「解凍」
?養殖されたものは「養殖」
の表示が必要です。
生鮮食品を生産したその場で消費者に直接販売するあるいは、設備を設けて飲食させる場合は、「名称」と「原産地」の表示は必要ありません。

2.加工食品の表示
 一般消費者に販売されている加工食品のうち、容器包装されているものが対象となります。表示内容は、名称、原材料名、内容量、期限表示、保存方法、製造者名などです。輸入品については、上記に加え原産国名と製造者名に代えて輸入者名も表示されます。
また産地名が、その原料の産地を示すのか原料の産地を示すのか不明確な表示は禁止されています。
生鮮食品に近い20の加工食品には、原料原産地も表示しなければなりません。
飲食料品を製造あるいは加工して消費者に直接販売する場合や設備を設けて飲食させる場合は、表示は必要ありません。

3.有機食品の表示
 平成13年4月から、有機JASマークがつけられたものだけが「有機」あるいは「オーガニック」と表示できます。
この有機JASマークは、登録認定機関から認定を受けた事業者が有機規格に基づいて生産された農畜産物や加工食品食品に付けられます。遺伝子組換えされたものは対象外となります。
4.遺伝子組換え食品の表示
 遺伝子組換えされた農産物およびこの農産物を原材料とする加工食品(ただし、加工後も組換えられたDNAまたはこれによって生じたたんぱく質が検出できないものは除く)に表示されます。

次回は「生鮮食品の表示を読む」です。

(牟田実の食育講座No.28)


2007.09.07 08:38:07 | きゃりあ塾 | コメント (0) | トラックバック (0)

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