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「中食(なかしょく)」
「食育講座 食を取り巻く環境 1(全6回)」

 この食育講座は、今回から新しいシリーズとなります。
前回のシリーズ「食生活とは」を受けて、今回は「食を取り巻く環境」について考えます。北海道のミンチ偽装事件を通して、食の安全管理の問題や食の提供側の構造など、私たちには見えにくい部分が数多くあることがわかりました。また、私たちのライフスタイルそのものも大きく変化しそれにあわせて食の形も変わっています。
今回は6回のシリーズで食を取り巻く環境を見ていきたいと思います。

■「外食・内食と中食」

 どこで食事をするか、誰がどこで食事を作ったかという切り口で私たちの食事の形態を見ると、大きく「外食」と「家庭内食」に分けられます。
「外食」とは、家庭の外で食事をとること。レストラン、寿司屋、そば屋、食堂、ファストフード、居酒屋、喫茶店などの飲食店で食事をすることをいいます。家庭の外といっても、ピクニックに行って家庭の外で食事をするというのは含まれません。また、友だちの家で食事をご馳走になるのも外食とはいいません。言い換えると、外食は食べる空間と経済活動をともなった食事を提供する形態ということになります。
「家庭内食」とは「内食」とも呼ばれます。これは、家庭内で調理し、食事をすることです。
この「外食」と「内食」の中間にあるのが、「中食」です。
農林水産省の農林水産関係用語集では、「中食」は次のように定義されています。

中食(なかしょく):レストラン等へ出かけて食事をする「外食」と、家庭内で手作り料理を食べる「内食」の中間にあって、市販の弁当やそう菜等、家庭外で調理・加工された食品を家庭や職場・学校・屋外等へ持って帰り、そのまま(調理加熱することなく)食事として食べられる状態に調理された日持ちのしない食品の総称。

 外食は、「注文を受け、注文の数だけ作る(注文生産)」、中食は「受けた注文の数に関係なく作る(見込み生産)」という分け方をする場合もありますが、出前の寿司や宅配のピザなどは、受けた注文の数だけ作りますが「中食」とされています。
また、「内食」の調理状況でどこまでが「中食」となるのかもしっかりとした規定はできません。たとえば、惣菜を買ってきて温めなおして食べた場合は中食とされますが、カップめんを買ってきてお湯を入れて食べたのは、中食とはいいません。
 このように、「中食」は外食の領域にも中食の領域にも関るために、「外食」「中食」「内食」をそれぞれきっちりと区分けすることはできません。「外食」は家庭外で食べること、「内食」は家庭内で調理して食べること、そして「中食」はその中間形態ととらえる程度でいいものと思われます。

■これからの食生活は「中食」がキーワード

 中食は、私たちの食生活に大きな影響をもたらします。ライフスタイルによって中食も変わり、逆に中食の変化が私たちのライフスタイルをも変える影響力を持ちます。
外食のスタイル(メニュー、サービス、価格、料理などの内容)が変化しても、それはあくまで外食であって、家庭内で作る食事の参考にすることはあっても、私たちの生活に大きな影響をおよぼすものではありません。
しかし中食は、私たちの生活に大きな変化をもたらします。調理にかかる手間や時間が大きく変わります。食事を「作る」から「買う」に変わることで、伝承された家庭の味がなくなり、嗜好や味覚の形成にも影響を与えます。一方で、調理や後片付けにかかっていた時間を有効に他に利用することが出来るようになります。温めるだけ、盛り付けるだけ、トッピングなどアレンジするなど中食が一般化することで、「調理」の線引きもあいまいになってきます。どこまでを調理と呼ぶのか。このように私たちの食生活や食に対する意識にも大きな変化をもたらします。

中食といっても、そのスタイルはさまざまです。
●ごはんと味噌汁は家庭で作り、主菜は買ってくる
●主菜は家庭内で作るが、副菜は買ってくる
●手の込んだ料理や家庭でなかなか作ることができないあるいは作るのが苦手な料理は買ってくる
●オーブンで焼くだけのピザを買ってきて、それに自分で様々なトッピングをしてアレンジして食べる
●宅配された鍋セットで、パックされた具材を鍋に移し付属の調味液をいれるだけで簡単に鍋ができる
●買ってきたものだけをたべる(すべて中食で食事をする)

 こういった中食のスタイルは、私たちのライフスタイルに密接に関連しています。健康や安全に対する関心に対応した低カロリー、ヘルシーメニュー、安全に配慮したメニューがでてきます。仕事を持つ主婦などには簡単調理メニュー、グルメ志向には、有名シェフのメニューなど私たちのライフスタイルに合わせた中食が提供されます。また、中食を利用することで、私たちの生活スタイルも変えることができます。

 今後、ますます食の外部化が進んでいくことが考えられます。この外部化の中心となるのが「中食」です。ですから私たちはこの「中食」をどう捉えるかが重要になってきます。

次回は「食生活の形が変わる」です。

(牟田実の食育講座12)


2007.07.02 18:16:20 | きゃりあ塾 | コメント (0) | トラックバック (0)

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