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栄養学と食生活学は違う
「食育講座 食生活とは?」

「食生活」というと、どうしても私たちが普段口にしている食品やその食品に含まれる栄養素にだけに目がいきがちとなります。そのため、健康を維持増進するためには、どのような栄養素が必要で、その栄養素を多く含む食品は何か。そして、必要な栄養素を含む食品をどれだけ食べたらいいかといった展開になりがちです。栄養学と食生活が同じように語られるケースをよく目にします。
しかし、栄養学と食生活学は違います。 私たちはあえて「食生活学」という考え方をしています。

■栄養学と食生活学の定義

 「栄養学」とは、さまざまな食品に含まれる成分(栄養素)が、私たちの体の中でどのように利用され、影響を与えているのかを研究する、つまり、栄養素の摂取と健康の関係を体内の代謝を通して明確にしていく学問です。

 「食生活学」は、生活の中で食をどうとらえていくか、おいしくいただくことでQOL(生活の質)をいかにあげていくかを研究していくものです。食生活学は、体系化された学問という訳ではありません。生活習慣の中で食をとらえるというものです。

■栄養学と食生活学の違い

 「栄養学」は「栄養素と人の体との関係」をテーマとする内的なテーマを対象とする学問であり、「食生活学」は「食と人や社会との関係」という外的なテーマを対象とする学問と区別できます。
 また、「栄養学」は食品に含まれる栄養素そのものの働きや、栄養素が私たちの体や健康とどのような関係にあるのかといった研究の対象が客観的・具体的な学問であるのに対し、「食生活学」は文字どおり食を含む生活そのものを研究しようというものです。
 そのため、個人の価値観や考え方やその行動スタイル(いつ寝ていつ起きるか、ストレスは感じるか、どうしたらおいしく食事をとれるか、食品に対する安心感や信頼感など)といった主観的・概念的な部分を多く含みます。

<栄養学と食生活学の研究対象の違い>

☆栄養学
食⇔体・健康の関係(内的)
EB(Evidence-based 科学的根拠)による客観的・具体的なもの

☆食生活学
食⇔人・社会の関係(外的)
個人の価値観や考え方、嗜好などを中心とした主観的・概念的のもの

■食生活学の領域

 「食生活学」の領域は、生活全般に関わるので極めて多岐にわたっています。栄養学、食品学、食文化・食習慣、流通、物流、食マーケットなどです。
これらの分野は、決して独立したものではなく、すべて関連しています。
私たちが口にする野菜ひとつをとってみても、そこに含まれる栄養素だけでなく、どういう流通経路で運ばれてきたか、残留農薬など安全は確保されているか、どのように料理したらおいしく食べられるか、野菜の価格は家計にとってどうかなど様々な分野に関わってきます。

次回は「食生活をどう捉えるか」

(牟田実の食育講座No.6)


2007.06.11 22:43:42 | きゃりあ塾 | コメント (0) | トラックバック (0)

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