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おいしさの崩壊3
朝食は10分以内で食べています。

 フランス国立農学研究所のクリスチアーヌ・グリニョン氏の報告によると、フランスの大学生が朝食・昼食・夕食にかける時間の合計は平均三時間とのことでした。(2006.10.7日仏会館にて)
フランスの大学生の朝食にかける平均時間はどの程度かの言及はありませんでしたが、私たちの今回の調査では、朝食にかける時間は、約半分の46.07%の学生が10分以内と答えています。

 朝食にかける時間は、10分以内が46.07%。20分まで拡大してみると、84.85%となっています。つまり、大多数の学生が朝食は20分以内に済ませているということです。
朝食をとる場所は、77.56%が「自宅」。つぎに「学校」11.33%と続きます。「学校で」というのは、途中で何かを買って学校で食べていると思われます。「飲食店」というのはわずか0.65%で、「歩きながら」というのが1.76%もありました。
そのほかには、電車の中、車の中、バスの中、公園という回答もありました。

 朝食をしっかり摂れない現代人のために、必要な栄養素と熱量を簡単に補給できる食品(朝食に変わるもの)がたくさん発売されています。
仕事ができそうな(?)ビジネスマンやバリキャリが歩きながらその食品を格好よく飲む(食べる)ようなテレビコマーシャルや宣伝を目にします。
確かにこれらの商品は、現代人のライフスタイルの多様化に合わせ、また現代人の健康を考えた商品開発なのでしょうが、一方で大切な何かを失わせているのではないでしょうか。

 日本の学生の77.58%が自宅で朝食を摂ると答えています。前述のグリニョン氏の報告でも、大多数(数字の提示はありませんでした)のフランスの大学生は自宅で朝食を摂ると答えています。この点では日本もフランスも共通しています。
ただし、「食事は文化の継承」とグリニョン氏は指摘しています。フランスの場合、日本以上に格差社会で、完全なヒエラルキーができているとのことです。収入、学歴、住んでいる地域などによって、それこそ三ツ星のビストロから庶民的な食事までヒエラルキーが形成され、それぞれのクラスで食事の標準モデルというのがあるといいます。
しかしながら、それらには共通したものがあり、それは「食文化の継承」ということだそうです。
 食器類、ナイフ、フォークといった使い方、家族との食事、お客様を招待しての食事、そこから食事をとるときの、最低限のマナーやエチケットを学ぶ。日本でも、箸の持ち方や、茶碗の持ち方、食べる時のマナーやエチケットなどを学ぶことはフランスと変わりありません。
 しかし、大きな違いは何かというと、それらのことをフランスでは今でも家で身につける機会が多いのですが、日本ではそれがなくなりつつあるということです。いや、すでになくなっているかもしれません。
 先日、当社が企画運営している食育フォーラムに参加された都内の小学校の栄養教諭が箸の持ち方の授業をするための教材を探されていました。

 食規範の指導が本来家庭で行われるべきものが、日本ではできなくなった。食規範の指導まで、食品と同じように外部委託化されたような気がします。

(文中にあるパーセンテージの対象サンプル総数は1,960です)

 つづく

2006.10.13 08:59:55 | 食彩人 | コメント (0) | トラックバック (0)

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